ウエストのくびれを作る筋膜リリースダイエットの方法

筋膜”という言葉がテレビや雑誌で取り上げられるようになったのは2000年代以降と言われていますが、筋膜の研究は今から約40年ほど前から盛んに行われてきました。医学界では、筋肉同士を包み込むように繋ぐ筋膜の連鎖を重要視し、東洋医学における“経絡”を科学的に立証したものとして多くの書籍を出版されています。

 

これだけ以前から研究が進んでいたにも関わらず、世間の注目度を集め始めたのがここ数年なのはなぜでしょうか?

その理由は簡単です。従来では首や肩コリ、腰痛などの改善やスポーツ選手のコンディショニングに用いられるものと考えられていたのですが、ダイエットを含めた美容に大きな効果が期待できることが認識されてきたからなのです。

 

それではあなたが筋膜リリースを知るべき理由を解き明かしていきましょう。

併せて(参照記事URL→筋膜リリースで痩せる?筋膜がダイエットの効果を高める理由)もご覧ください。

 

第1章【ダイエットを妨げる要因】

まずは早速、あなたのダイエットが成功しない要因をいくつか挙げていきましょう。

 

□食事

□生活習慣

□運動不足

□姿勢不良

 

そして筋膜です。

カロリーの過剰摂取はもちろんのこと、運動不足や姿勢不良による基礎代謝の低下は、この筋膜の影響を強く受けているのです。

 

つまりダイエットの成果を妨げうるこれらの問題は、筋膜をリリースすることによって改善する可能性が高いと考えることができます。

 

それでは筋膜が姿勢不良等による基礎代謝の低下にどのように影響するのか詳しくみていきましょう。

 

第2章【筋膜の種類

筋膜は大きく7種に分類されます。

 

①スーパーフィシャル・バック・ライン

②スーパーフィシャル・フロント・ライン

③ラテラル・ライン

④スパイラル・ライン

⑤アーム・ライン

⑥ディープ・フロント・ライン

⑦ファンクショナル・ライン

 

この7つの内、③ラテラル・ライン④スパイラル・ラインについて今回詳しくご紹介したいと思います。なぜこの2つが大切なのか?その疑問を解き明かす理由は“胸郭”にあります。

この2つの筋膜はともに胸郭と密接な関係があり、胸郭の存在もまたダイエットには大きな役割を担うのです。

 

2-1.胸郭と筋膜の関係

胸郭は肺を覆う肋骨と胸椎によって構成されています。胸郭は肺や心臓などの重要な臓器を守るだけでなく、身体を捻る動きに大きく関与します。この捻る動きがいわゆるウエストの引き締めに大切な腹斜筋群によって行われており、女性らしいプロポーションを手に入れる為には不可欠と言えるのです。

 

それではくびれ作りの為に大切な2つの筋膜について詳しく見ていきましょう。

 

2-2.ラテラル・ライン(LL)

ラテラル・ライン(LL)は身体を両側面から支えています。外くるぶしから太ももの外側面を伝い、骨盤を介して脇腹・肋骨、そして頸部から側頭部に達しています。つまりラテラル・ラインとは、横方向への歪みに関与しているのです。

 

2-3.スパイラル・ライン(SPL)

スパイラル・ライン(SPL)は身体全体をらせん状に取り囲むように存在しています。後頭部からから肩甲骨の間を通ってそれぞれ交差するように反対側に繋がり、肋骨を通って臍の高さで再び交差して反対側の股関節に筋膜は走行しています。股関節からは太ももの外側を経て足底に達したらふくらはぎの外後方を経由して坐骨まで上行し、脊柱起立筋を通って後頭部に戻ってきます。

 

このように肩甲骨と腹部の2回筋膜同士が交差することで、しなやかな身体の捻り運動をコントロールしており、姿勢の制御に大きな効果を発揮しています。

 

第3章【筋膜の歪みチェック】

第2章【筋膜の種類】でご説明したように、身体の歪みは筋膜の柔軟性低下を顕著に示しています。

 

(参照記事URL→レッスンコラム【筋膜リリースで痩せる?筋膜がダイエットの効果を高める理由】第3章【筋膜の歪みチェック】)でご紹介したように、筋膜の歪みと姿勢の歪みには大きな関係性があります。前回は“猫背”と“反り腰”という前後における横方向からみた姿勢や体型変化と筋膜の関係について記載している為、本コラムではいわゆる前方からの姿勢体型変化について詳しく調べていきます。目印として①左右の肩の高さ②左右の骨盤の高さに着目していきましょう。

 

自分の身体を鏡や写真で正面からみた時、姿勢の歪みにビックリした経験はありませんか?

 

「右肩が下がっていてなんだか情けない」

「お腹まわりにくびれが無くなってしまった」

 

これらのお悩みは、筋膜の柔軟性低下が原因となっている可能性があります。

くびれ美人ではカウンセリング時に必ず姿勢の評価を行っており、上述した①左右の肩の高さ②左右の骨盤の高さによる身体の歪みを調整することからパーソナルトレーニングが始まります。

 

ラテラル・ラインは身体の両側面を走行しているため、左右の筋膜の張力が均等でなければ、柔軟性を失った筋膜の方向に身体は引っ張られ、肩や骨盤は“傾いて”しまいます。そしてスパイラル・ラインは後頭部から背中・脇腹・大腿の外側を渦巻くように走行していることから、柔軟性を失うことにより肩がすくんだり骨盤の“捻れ”が生じてしまうのです。

 

それではあなたの筋膜の状態を確認してみましょう。

 

3-1.両肩の高さを見る

どちらかの肩が下がった状態では、下がった側のお腹まわりの筋膜の柔軟性が失われたことを表しています。そして同時に反対側の肩は相対的に上がってしまいます。

身体を支えている体幹部分が潰れているということは、ラテラル・ラインの中でも横腹周囲の柔軟性の問題と言えます。

 

そしてこの状態が長く続くと、今度は骨盤の高さにも影響を及ぼします。

 

3-2.骨盤の高さを見る

左右の骨盤の高さの差は、ラテラル・ラインスパイラル・ラインの影響を大きく受けています。

 

例えば普段から休めの姿勢のようにどちらか一方の足に荷重を掛けてしまう人は、骨盤の高さに左右差が出やすくなります。

 

これはつまり肩が下がっている側の骨盤が引きあがり、脇腹から横腹にかけての筋膜の短縮を表しています。そして筋膜の柔軟性低下が体幹部を中心とした筋力低下を引き起こしてしまいます。

 

3-3.自分の姿勢に自信が無い人は?

もしあなたがダイエットだけでなく本当に姿勢について悩んでいるのであれば、先に姿勢改善から始めてみることをお勧めします。

(参照記事URL→【パーソナルトレーナーが教える、姿勢改善のポイントとは?】

なぜならば腹部や二の腕の肥満などはほとんどの場合、姿勢の変化によって筋肉が働きにくくなることが原因です。つまり姿勢改善トレーニングから始めることで、効率的にダイエットを行えるのです。

 

第4章【ラテラル・ラインの働き】

それでは具体的にラテラル・ラインに存在する筋肉を調べていきましょう。

ラテラル・ラインは足底から始まり、上行して頭に停止する筋膜の繋がりです。

 

□足底・中足骨

□長腓骨筋(外くるぶし)

□ガーディ結節(膝の外側)

□腸脛靭帯(太ももの外側)

□大腿筋膜張筋(太ももの外側)

□大殿筋(お尻)

□腸骨稜(骨盤)

□外腹斜筋(腹筋)

□肋骨

□胸鎖乳突筋(首の前方)

□頭蓋骨

 

ラテラル・ラインの機能は主に、体幹の側屈(カラダを横に倒す動き)股関節の外転(足を横に開く動き)などの側面での動作に関与するものがほとんどです。

身体の側面に位置するラテラル・ラインの中で特に重要な役割を担っているのが、股関節外側から膝関節外側を繋ぐ「腸脛靭帯」や「大腿筋膜張筋」です。これらの組織は、前述した骨盤の高さに大きく関与しているだけでなく、いわゆる“内また”や“ガニ股”に繋がってしまうアライメントの変化を引き起こします。

 

そして骨盤が歪むことによって肋骨から横腹にかけて走行する筋膜にも負荷が掛かり、身体全体が歪む悪循環に陥ります。

つまりこの状態でトレーニングを開始することは非効率的なだけでなく、体型のアンバランスを生じてしまいかねないのです。

 

それでは、トレーニングを始める前に筋膜をリリースしていきましょう。

 

4-1.ラテラル・ラインのリリース

4-1-1.ストレッチポールを使ったラテラル・ラインのリリース

筋膜は柔軟性を取り戻すためにストレッチを掛けるだけでなく、ストレッチポールを用いてほぐすことで、筋肉を動きやすくして血流を改善し、引き締め効果を高めることができます。

 

□方法(右側の場合)

①図のようにストレッチポールの上に右大腿の外側を乗せ、左足と両手でバランスを取ります。

 

②腕や足を使って身体を上下にゆすり、右の大腿外側である腸脛靭帯や大腿筋膜張筋をリリースしていきます。左右30ほど続けて行いましょう。

 

ストレッチポールが無い場合でも、お風呂に浸かりながら手でほぐすのも効果的のため、是非習慣的に行ってみてください。

 

4-1-2.壁を使った横腹のリリース

□方法

①壁に左肩を向け、図のように肘より少し遠いくらいの幅を取りましょう。

  

 

右手を上にあげ、壁に触れます。(触れた高さから動かさないようにしましょう)

そして右足を後方に下げ、少し壁側に寄せましょう。

 

③壁につけた右手を離さないように、腰を落としていきます。そして右の横腹にストレッチ感がでてきたら、その位置で深呼吸をゆっくり5ほど行います。(反対側も同様)

 

□ワンポイント

下半身を固定したまま上半身に捻りを加えることで、ラテラル・ラインのリリース強度を高めることができます。

 

①上記の壁を使った横腹のリリースの体勢から、左手も壁につけましょう。

 

左手で壁を押しながら上半身を右側に少し捻っていきますこの時、右の横腹から脇腹にかけてストレッチ感がでてきたら、その位置で深呼吸を更に5ほど行います。

 

4-1-3.片膝立ちでの横腹リリース

横腹だけでなく、肋骨の側面に付着する肋間筋や広背筋、そして上肢に繋がる上腕三頭筋のリリースを一度に行うことができます。これにより身体の連動を作りやすくなり、トレーニング効果が高まります。

 

□方法

①左足を前に出して片膝立ちの姿勢を取ります。

 

②右腕を上げ、左手で右肘を把持しましょう。

 

③バランスを取りながら体を左側にゆっくりと傾け、右側の脇腹にストレッチ感がでてきたら、その位置で深呼吸を5ほど行いましょう。(反対側も同様)

 

4-2.美しい姿勢を手に入れるためのラテラル・ラインの鍛え方

4-2-1.サイドベント

①足を腰幅に開いてダンベルやケトルベルなどの重りを持ち、反対側の手は耳に当てるようにします。

 

②重りの方向へ身体をゆっくり傾けていきます。この時、脇を開いて肘を空に向けるように意識すると、ラテラル・ライン全体が引き伸ばされるようにして刺激が入ります。

※上体が前後に移動したり骨盤が側方へ移動してしまうと、腰に負荷が掛かるため注意しましょう。

 

③そして伸ばした横腹を縮めるように上半身を引き寄せていきます。これを左右10回3セット行いましょう。(反対側も同様)

 

4-2-2.ケーブルヒップアブダクション

股関節の代表的な外転筋である中殿筋は、骨盤を介して腹斜筋群と連動しています。立位及びケーブルで負荷を掛けることによって腹斜筋群と中殿筋の連動を生み出し、ヒップアップやくびれ作りの為の姿勢改善効果が期待できます。

 

□方法

①図のようにケーブルマシンの中央に立ち、ケーブルをくるぶしの高さに調整します。

そして腰に手を当て、下半身が動かないようにしましょう。

 

②腰の位置が変わらないように注意しながら、右足を大きく開いていきます。膝は伸ばした状態を維持しましょう。これを10回3セット行います。(反対側も同様)

 

第5章【スパイラル・ラインの働き】

身体の側面をカバーするラテラル・ラインを補強するように、このスパイラル・ラインは存在しています。どのような筋肉や組織で構成されているのか見ていきましょう。

 

□頭蓋骨

□大・小菱形筋(肩甲骨の間)

□前鋸筋(脇腹)

□肋骨

□外腹斜筋

□内腹斜筋

□骨盤

□ガーディ結節(膝の外側)

□前脛骨筋(スネ)

□足底

□長腓骨筋(外くるぶし)

□腓骨頭/大腿二頭筋(もも裏)

□坐骨

□脊柱起立筋

□後頭骨

 

スパイラル・ラインの面白い所は頭で始まり、身体の前面を螺旋状(スパイラル)に交差して全身を巡って元の位置に戻る所です。これは人間らしいしなやかな動きを行うために必要不可欠なものであると言えます。

このような螺旋状の構造が体型を含めた身体バランスの維持をする上で非常に重要です。スパイラル・ラインのアンバランスが生じると身体の捻れストレスが起こりやすくなり、様々な問題へと発展します。また、スパイラル・ラインの筋膜の多くは他の筋膜ラインにも関与しているため、スパイラル・ラインの機能不全は他のラインの機能不全を引き起こす原因となるのです。

 

スパイラル・ラインが担う運動機能は体幹と下肢を固定して歪みによる姿勢の変化に対応することと言えます。

 

そして本コラムでスパイラル・ラインを取り上げた理由は、ウエストダイエットやメリハリのあるくびれ作りの為に外腹斜筋内腹斜筋の筋膜の連動は必要不可欠だからなのです。この繋がりを意識しながら腹部のトレーニングを行うことで、くびれ作りを始め、女性らしいプロポーションを手に入れることに役立つでしょう。それではスパイラル・ラインを活性化させるために必要なアプローチを調べていきましょう。

 

5-1.スパイラル・ラインのリリース

5-1-1.テニスボールリリース

□方法

図のように側臥位となり、股関節を少し曲げた状態となります。そして股関節の付け根にテニスボールが当たるようにしましょう。この状態でゆっくり30ほど大腿筋膜張筋をリリースしていきます。

 

5-1-2.全身捻り

腰を捻るというよりも上半身をきれいに動かすことを意識することで胸郭の可動域を向上させ、スパイラル・ラインを活性化させることができます。下半身は固定し、胸を大きく開くのがポイントです。

 

□方法

①左を下にした横向きとなり、両手を前方に伸ばした状態で背筋を伸ばします。

この時、図のように曲げた膝でボールを挟むことで腰の反りを防ぎ、腰痛のリスクを軽減させます。

 

②右腕で床をなぞりながら大きな弧を描き、上半身全体を右方向へ捻ります。

この時下半身は動かさないようにしましょう。

 

③胸を開き、胸まえから脇腹にかけてストレッチ感を感じたら20キープし、ゆっくり元の体勢に戻りましょう。これを5ほど繰り返します。(反対側も同様)

 

※図のように体が崩れる場合が、初めのポジションに戻り、無理のない範囲で行ってください。

 

5-2.ウエストくびれを作る!スパイラル・ラインの鍛え方

5-2-1.ツイストクランチ

腹斜筋をトレーニングすることができます。ポイントとして、伸ばした側の踵で地面を押すと殿筋も活性化でき、ヒップアップや姿勢改善にも期待できます。

 

□方法(右側の場合)

①仰向けになり、図のように右足を上げて右膝・股関節を90°にキープします。右手は約45°の角度に置き(手のひらは地面側に)、左手は頭の後ろに組みます。踵は地面から離さないように注意すると下半身が固定され、より効果的に腹斜筋を鍛えることができます。

 

右の脇腹を意識し、なるべく反動をつけないように体を捻りながら持ち上げて左膝と右肘を付けるようにする(つかなくてもよい)。これを左右10回ずつ行います。(反対側も同様)

※この時伸ばした側の踵が離れないように注意しましょう。

 

5-2-2.ツイストエクササイズ

ケーブルマシンを用いて、脇腹の引き締めだけでなく下半身にもアプローチできます。

ケーブルは軌道が安定しないため腹斜筋にまんべんなく刺激を入れる事が可能となり、お腹まわりの引き締めだけでなく姿勢改善トレーニングにオススメです。

 

□方法

①ケーブルマシンの左側に立ち、ケーブルの高さを45°になるくらいの高さに調整します。

そして肘を伸ばし、指をかますようにグリップを持ちましょう。

図のように足を前後に開き、腰を少し落とします。(右足を前、左足を後ろ)。

 

②下半身がブレないように注意し、肘は伸ばして体の正面にキープしながら左下方にゆっくり引いていきます。この時、右の脇腹を意識しましょう。

これを左右10回3セット行っていきましょう。(反対側も同様)


 

□ワンポイント

動作が安定してきたら、今度はケーブルと反対側の膝を高く上げることでスパイラル・ラインの連動を高め、ウエストシェイプアップを始め、姿勢改善など多くの効果が期待できます。

 

③ケーブルを引いたまま、マシンと反対側の膝を上げた姿勢でキープしましょう。(反対側も同様)


 

第6章【まとめ】

今回は身体の側面だけでなく、全体を螺旋状にカバーするラテラル・ラインとスパイラル・ラインについてご紹介しました。この繋がりを意識し、筋膜リリースから始めてみることによって姿勢や体型の変化を起こすことができるでしょう。

 

筋膜全身を覆うボディスーツのような存在です。日常生活において身体の使い方にクセを付けてしまうことによって身体の連動は遮断され、姿勢や体型の崩れを始め、多くの問題が生じてしまいます。

 

ダイエットの為に食事やトレーニングは大切ですが、無理のないダイエット計画のためにも、まずはあなた自身の身体と向き合い、筋膜を整えることから始めてみませんか?