将来は糖尿病?!運動不足が招く健康への影響【人生100年時代へ突入】

人生100年時代と言われる現代。いつまでも美しくいたいという女性の思いは変わりません。

「わたしはダイエットなんて成功しない」

「きつくて辛いトレーニングは嫌だ」

と何となくダイエットに対して苦手意識を持っていませんか?

そして同時に訪れた飽食の時代。食料に足りない時代には考えもしなかった食べすぎによる肥満があなたの身体を蝕み始めています。

今回は肥満によって起こり得る代表的な疾患である“糖尿病”の予防策について、加齢や生活習慣に伴う筋力低下の観点から詳しくご紹介します

 

第1章【体型だけじゃない!健康を脅かす運動不足】

あなたは普段、どれくらい運動をしていますか?特にデスクワークの方は要注意です。通勤に車や電車を使い、仕事中もほとんど立ち歩くことがない生活の場合では、あっという間に筋肉量は低下してしまいます。

 

筋肉量の低下は基礎代謝の低下に繋がり、身体は食事によって摂取したエネルギーの使い道に困ってしまいます。

 

それでは次に、日常生活で実際にどれくらいのエネルギー消費が行われているのか見ていきましょう。

 

第2章【身体を動かすと、具体的にどれくらいのエネルギー消費が起こる?】

ここでは身体活動の強さを示す単位「メッツ」を使ったエネルギー消費量の計算方法についてご紹介しましょう。

※メッツ(METs)とは、「Metabolic equivalents」の略で、活動・運動を行ったときに安静状態の何倍の代謝(エネルギー消費)をしているかを表す、活動強度の指標のこと。

 

まずイスに座っている時のような安静にした状態を1メッツ(基準)で考えると、普通の速さで歩くと3メッツ自転車に乗る(自分の心地よいペース)と6メッツとなります。

 

そしてこのメッツを利用して、あなたが普段の生活でどれくらいのエネルギー消費を行っているのか、おおよそを知ることができます。

 

エネルギー消費量(kcal)=〔メッツ〕×〔体重(kg)〕×〔時間(h)〕×1.05

 

例えば体重50kgの方が1時間の散歩を行ったとすると、

3×50×1×1.05=157.5kcal

となり、約150kcalのエネルギーを消費したことがわかります。

 

あくまで指標のため当然個人差はあるものの、ここで重要なポイントがあります。それは、筋肉量が多ければ、より多くのエネルギーを消費するということです。つまり同じ体重50kgでも、筋肉量が多い方と少ない方では当然エネルギー消費に大きな差が出るということです。

 

この事から、より効率よくエネルギーを消費するような痩せた体質になる為には、筋肉量を増加させることが最も効率が良いことがわかりますね。

筋肉量を増加させることで、日々の生活の中でのエネルギー消費が増えることを知っておけば、筋トレへのモチベーションアップにもつながるかもしれません。

 

それでは次に、筋肉量が減る原因について詳しく見ていきましょう。

 

第3章【できれば動きたくない?怠けてばかりがダメな理由】

長期間の入院によって筋力の衰えを感じた経験のある人もいるのではないでしょうか。筋肉は皮肉なことに、鍛える為に費やした時間よりもはるかに短期間で筋力は低下してしまいます。

 

デンマークにあるコペンハーゲン大学の研究によると、運動をしない期間が2週間以上続くことで、筋力と筋肉量は大幅に低下してしまうとの結果が明らかになったとのことです。若いうちから慢性的な運動不足による生活習慣病の問題は勿論のこと、更に社会的に問題となるのは高齢者では失った筋肉を取り戻すためにより多くに時間を要することです。

 

生活習慣病とは、脂質異常症高血圧糖尿病の3つの総称です。そしてこれらが原因で動脈硬化を引き起こし、動脈硬化が進行すると「狭心症」や「心筋梗塞」などの心臓循環器系の病気、更には血栓が引き起こす「脳梗塞」などの命に関わる重大な病気の原因となるのです。

 

当然生活習慣病の原因となるのは、運動不足(筋力低下)だけが原因ではありません。偏った食事や飲酒、喫煙、更には社会的に問題となっているストレスなど、まさにあなたの生活習慣の結果が身体に現れているという事です。

 

それでは今や日本では国民病とも言える糖尿病について、詳しく見ていきましょう。

 

3-1.肥満=糖尿病ではない

糖尿病と肥満はセットで考えられがちですが、実は違います。

 

そもそも糖尿病とは、インスリンという血液中の血糖を下げる働きのあるホルモンが働かないことで起こる病気です。血糖の濃度(血糖値)が高いままで放置されると、次第に血管は傷つけられ、それに伴って失明や腎不全、更には足趾の切断など様々な合併症(糖尿病の慢性合併症)を引き起こしてしまいます。

 

血糖値が高くなる原因には大きく分けて2つあり、身体が消費しきれないほど過剰な糖質の摂取インスリンの分泌能力の低下によるものか、原因によって対処法が変わってくるのです。

 

3-2.食べると上がる血糖値

私たちは毎日、食事を摂ることで生命を維持することができます。摂取した食べ物は胃で消化され、栄養素は腸で吸収されます。そして分解された糖が血液中を流れて全身を巡り、内臓や脳、そして筋肉などの大切なエネルギー源として消費されていきます。この時、血液中を漂う血糖を細胞の中に取り込むために必要なカギとなるのが膵臓から分泌されるインスリンなのです。

 

3-3.インスリンが働かないと・・・

糖尿病になると膵臓から分泌されるインスリンが十分に働かず、血糖を上手く細胞内に取り込めなくなります。血糖を細胞内に取り込む理由は2つあり、1つはエネルギー源として今すぐ使う為、そしてもう1つはエネルギー源の備蓄の為です。備蓄される分の血糖はグリコーゲンに変換され、肝臓や筋肉内に貯蔵されます。それでも余ってしまった残りの血糖は中性脂肪として全身の脂肪細胞へ取り込まれていきます。

 

このことからわかるように、血糖(ブドウ糖)は細胞内へ取り込まれなければその役割を果たすことができず、ただ血液中を漂うお荷物と化してしまいます。これが高血糖の状態であり、ブドウ糖で溢れた血液は腎臓で“ろ過”ができない為、尿として排出されます(糖尿)。

 

また血糖値が高い状態では、まるで煮詰めたカラメルのように血液はドロドロ・ネバネバしています。

 

そして血管内での血液の流れが悪くなり、詰まってしまうこともあるのです。2型糖尿病(※1)の3大合併症(※2)である「糖尿病性網膜症」「糖尿病性腎症」「糖尿病性神経症」は、すべて血流が滞ることによって発生します。

 

※1:糖尿病には、ウイルス感染などが原因で膵臓の細胞が壊れてインスリンが作られなくなる1型と、食べすぎ(肥満)や運動不足などの生活習慣が原因でインスリンの効果が出なくなった2型の2種類がある。

※2:失明・腎不全・知覚鈍麻による足趾の切断を引き起こす。

 

第4章【糖尿病の初期症状】

糖尿病の怖い所は、明らかな自覚症状を感じることが無いまま5~10年経って初めて身体に異変が起きるという事です。それでは糖尿病の初期症状について少し詳しく見ていきましょう。

 

4-1.身体がだるい、疲れやすい

食物から摂取した栄養素(糖)を細胞内へ取り込むことが出来ない為、身体を動かすために必要なエネルギーの不足に陥ることで“だるさ”や“疲れやすさ”を感じやすくなります。

 

4-2.頻尿や多汗、のどの渇き

頻尿や多尿となるのは、血液中の糖を身体の外に出そうとして腎臓が大量に尿を作り出す

一種の防衛反応と言えます。多汗も同様に糖を体外に排出しようとするためです。

 

そして身体からは水分が大量に失われることで脱水状態となり、酷いのどの渇きが起こります。

 

4-3.皮ふの乾燥やかゆみ

血流が滞ることによって皮ふに必要な栄養や酸素が行き渡らなくなることで、皮ふは次第に乾燥してかゆみ症状が現れることがあります。

 

4-4.食べているのに痩せていく

ダイエッターにとっては嬉しく思えるかもしれませんが、身体は深刻です。生命維持に必要なブドウ糖を十分にエネルギーに出来ない為、筋肉や脂肪を分解しなければなりません。つまり自分の身体を壊しながら生命を維持しているのです。

このように、糖尿病によって身体は少しずつ蝕まれていきます。健康を二の次にした生活を続けた結果、残りの人生を不健康なまま過ごす結果となってしまえば必ず後悔するはずです。何より防げるものを防がないことほどもったいない事はありません。

それでは次に、今後のあなたの人生を左右する糖尿病への運動の有効性についてみていきましょう。

 

第5章【糖尿病と運動療法】

糖尿病を予防するためには食事の管理だけでなく、運動が大切です。運動によって血液中のブドウ糖をエネルギー源として利用し、血糖値をコントロールすることが出来るからです。

 

2型糖尿病の主な原因は肥満や食べすぎ、運動不足です。これらによって過剰な血糖値の上昇(糖質の摂取)が起こるため、運動によってエネルギーを消費する機会を多く作り、肥満を解消する必要があります。

そして運動によって筋肉への血流量が増えることで血液中のブドウ糖が細胞内に取り込まれ、インスリンの効果(感受性)が高まり、血糖値は低下していきます。筋トレによって筋肉量が増えることでもインスリンの効果が高まり、血糖値が下がりやすい環境を作りやすくします。

このように、長期的な身体のケアとして運動は不可欠なのです。

 

また運動の種類も大切なポイントです。インスリンの効果を高め、血糖値を下げる運動には有酸素運動(いわゆるジョギングなど)とレジスタンストレーニング(いわゆる筋トレ)の2種類があります。

 

以前は有酸素運動が提唱されていましたが、近年の研究によって中等度の有酸素運動(ややキツイと感じるくらい)と筋力トレーニングを組み合わせることで、より効率よく血糖値を下げることができることがわかっています。

 

5-1.まずは運動習慣!続けたい有酸素運動

有酸素運動として良く知られているのはウォーキングやジョギング、水泳、そして自転車エルゴメーターなどです。運動時間の目安は15~30分程度が望ましく、1週間に2~3回程度が良いと言われています。

 

重要なことは続けること。息が切れるほど激しい運動を行っていてはストレスとなり、いずれ止めてしまうでしょう。その日の体調に合わせて、無理のない範囲で行ってみてください。

 

5-2.筋トレで血糖値の上昇を抑える

筋トレによって筋肉量の増加を図り、血糖を消費するエンジンを大きくすることが目的です。筋肉はエネルギー(血糖)の貯蔵庫でもあり、血糖値をコントロールする重要な役割を担っています。食事によって血液中に取り込まれたブドウ糖の一部は筋肉に取り込まれるため、筋肉量が減ると必然的にブドウ糖を貯蔵する場所が無くなり、血糖値をコントロールする能力自体が低下してしまうのです。

 

運動の頻度として、週に1回以上が望ましいと言えます。

しかし筋トレと言っても大きく血圧が上昇するような強度の高い負荷で行う必要はありません。糖尿病予備軍も含め、血管や心臓への負担は避ける必要があります。

 

どのくらいの強度が適切なのか担当の医師の指示を仰ぎ、トレーナーと相談するほうが良いでしょう。

 

5-3.運動を行うための注意点

肥満を解消して健康的な身体を作るために運動を始めようと意気込んだ、今まで運動らしい運動をあまりやってこなかった方も多いはずで

すが、ちょっと待っていただきたい。運動は何よりも“継続”が大切です。つまり、続けられず単発で終わってしまえば非常にもったいないのです。

始めは少しもの足りないかな?という程度の負荷から始め、しっかりとあなたの習慣にしていく事を意識してみましょう。

 

第6章運動前には必ずウォーミングアップ!

そして次に準備運動、つまりウォーミングアップです。ウォーミングアップは何となくアスリートが行うイメージがありますが、そうではありません。一般的な日常生活に意識的に取り組むことで毎日の生活で筋肉は活性化され、健康に近づくのです。

ウォーミングアップの効果は主に、筋肉の温度(筋温)が上がることによって持たされる身体の反応です。一般的に知られるウォーミングアップの効果は次のようなものがあります。

 

◆怪我の予防

◆持久力の向上

◆発揮できる力が大きくなる

 

ただ何となく運動を始めるのではなく、ウォーミングアップから取り組むことで身体が運動モードとなり、筋肉も付きやすくなりますよ。

あなたの身体に合ったウォーミングアップを行えるのも、パーソナルトレーニングの大きな強みと言えますね。

 

第7章【フィットネス時代の到来!自宅で簡単に出来る糖尿病予防エクササイズ】

7-1.ワイドスクワット(ストレッチポール把持)

ワイドスクワットは足幅を大きくとるのが特徴で、特に下半身の筋力として大きな役割を担う内転筋を主に鍛えることができます。重量を扱うというよりは、安全且つフォームを意識することにポイントを置いており、ストレッチポールで身体を支えながら行っていきます。

 

□方法

①両肘を伸ばして図のようにストレッチポールに乗せ、背筋を伸ばしたまま足幅(スタンス)を腰幅の1.5倍程度開きます(腰を最大限落とした際に膝が90°となる幅)。この時、股関節・膝・つま先が45°外側を向くようにします。

 

②お腹に軽く力を入れ、背筋が丸まらないように体幹をやや前傾させた状態で腰を落としていきます。内転筋のストレッチ感を感じる深さまで腰を落とし、この時、股関節・膝・つま先は45°外側、すなわち同じ向きを向くように意識しましょう。

これを10回3セットを目安に行いましょう。

体重は常に踵と母趾球を結んだ線の間に掛けるイメージを持つことが大切です。

※つま先へ体重を掛けてしまうとお尻や内ももに負荷を掛けることができず、踏ん張ってしまうことで大腿四頭筋にばかり力が入ってしまうためです。

※膝が内側に入ると内転筋に適切な負荷がかからないだけでなく、痛める可能性があるので注意しましょう。

 

7-2.かかと上げトレーニング(カーフレイズ)

立った状態で行うトレーニングなので、すき間時間で行うことができます。

かかとを上げることでふくらはぎを中心に引き締めるトレーニングですが、膝にボールやクッションを挟みながら行うことで内ももを同時に引き締められ、第2の心臓と呼ばれる下腿三頭筋の筋力を鍛えることができます。

 

□方法

①壁に背中をつけて立ち、1歩前に出ます。そして肩甲骨まわりだけを壁につけ、腰が反らないように腹筋に軽く力を入れる意識を持ちながらお腹に手を置きましょう。

 

②足の親指付け根である母趾球で地面を押しようにかかとをゆっくり浮かしていきます。ふくらはぎの内側に力が入るのを意識し、最後まで蹴り上げます。かかとを地面に付けないように、ゆっくりと15~20回を3セット繰り返していきましょう。

※かかとから頭にかけて一直線になるように意識しましょう

 

第8章【急激に増加する糖尿病予備軍】

統計を取り始めた1955年あたりから2000年以降に掛けて、日本全国で糖尿病患者は急激に増加しています。その数は300万人以上と言われ、もはや日本人の30人に1人、つまりクラスに1人は糖尿病と言っても過言ではありません。

 

そして残念なデータとして、糖尿病の疑いがある人は日本全国で2000万人に及ぶと言われています。5人に1人が糖尿病の治療を受けるような社会へと大きく変化しており、深刻な国民病として皆様に知っていただく必要があるのです。

 

また糖尿病の疑いのある方の30%、つまり3人に1人は治療を受けずに放置し、病状の悪化による合併症で不便な日常生活を強いられています。

 

糖尿病は基本的に突発的になる訳ではありません。とにかく予防が大切なのです。そのためにもあなたの崩れた生活リズムを取り戻す必要があり、その予防法として今、パーソナルトレーニングジムやフィットネスジムが注目されているのです。

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第9章【まとめ】

結果的に筋肉量を増やすことができれば血液中のブドウ糖をたくさん取り込むことができ、糖尿病だけでなくその他の生活習慣病を防いでくれるでしょう。大切なのは継続です。「〇〇をしなければならない」というように、まるで義務のような責任を負わされてしまえばモチベーションアップは望めません。

 

そして1人では何から手を付けていいのかわからないという方にも、トレーナーは強い味方です。闇雲にただキツイメニューを繰り返させるのではなく、あなたの運動レベルに合ったトレーニングを提供します。

 

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くびれ美人パーソナルトレーナー

山戸