【悲報】筋トレで脂肪が筋肉に変わるのはウソ【解説あり】

“食欲の秋”

“忘年会シーズン”

“接待”

“ご褒美”

世の中にはあなたを誘惑するものであふれかえっていることでしょう。そして誘惑に負けて体重計に乗ってビックリ。

そんな時、太った理由として「筋肉が脂肪に変わった」と思っていませんか?

 

まず初めに結論から述べると、筋肉が脂肪へと直接変化することはありません。そして筋トレによって脂肪が筋肉へと変換されることもなく、構造上まったくの別物という認識は意外と一般的ではないようです。

 

つまり「運動不足で筋肉が脂肪に変わってしまった」というのは誤った知識であり、この疑問を解決することであなたのトレーニング効率を高めることができるでしょう。

 

第1章【脂肪は筋肉に変わるのはウソ?ホント?】

あなたは健康食品やトレーニング器具の通販のキャッチコピーとしてこのような言葉を目にしたことがありませんか?

 

脂肪を筋肉に変える方法!

 

キャッチコピーとしてはインパクトが強く、トレーニング意欲を掻き立てるワードとして広まっていることでしょう。しかしこれが事実かどうかはまた別問題のようです。

もし仮に脂肪が筋肉に変わるようであれば、間違いなく体脂肪が多い人は大喜びするでしょう。しかし残念ながらこのような事実は一切なく、構造上まったくの別物なのです。

 

ではなぜこのような誤った認識が広まっているのでしょうか?

まず初めに肥満になる理由として体脂肪の割合が筋肉の割合に比べて多いということです。

考えられるポイントとしては、筋トレによって筋肉が付き食事の改善や基礎代謝の向上によって体脂肪が減ることで、体脂肪と筋肉の割合が逆転し、体脂肪が筋肉に変わったという先入観が起こることが上げられます。

 

運動をやめたり身体を動かさなくなることで運動量も低下し、筋肉は落ちやすくなります。これでは基礎代謝も低下して太りやすいのも無理はありません。日常の生活から“動く”ということが省かれるだけで、まるで筋肉が脂肪に変わってしまったかのような錯覚に陥ってしまうのです。

 

それではまず筋肉と脂肪の違いをしっかりと把握し、トレーニングをより一層楽しんでいきましょう。

 

第2章【知っているようで知らない?太るメカニズムと筋肉が出来るメカニズム】

「最近お腹が出てきて・・・」

「気が付けば二の腕が凄いことに・・・」

このような目に見える結果は誰でも気づくことができますよね。そして大半の人は「最近外食が多くて食べすぎてしまった」などのように、理由までおそらく把握していることでしょう。しかし、あなたが“なぜ”太ってしまったのか更に掘り下げてみることで、あなたのダイエットやボディメイクの意欲が掻き立てられるはずです。

 

2-1.インスリンが肥満の引き金

“甘いもの摂りすぎると太る”

これは何となくイメージが付きますよね?実際甘い食べ物には砂糖などが大量に使用され、そのカロリーは想像を絶するものだってあるのです。しかし厳密には少し異なり、甘いものばかりではないのです。

 

ごはんやうどん、パンなどの炭水化物が胃腸によって消化・分解されることで、体内に吸収されやすいブドウ糖となります。炭水化物によって摂取、そして吸収される物質をまとめて“糖質”と呼び、3大栄養素の1つとして広く知れ渡っていることでしょう。

 

糖質は身体の至る所で必要とされ、筋肉だけでなく脳の活動エネルギーとしても重宝されています。しかし糖質が100%体内で消費できるとは限りません。水分のように余剰分は尿として排出できれば良いのですが、実際は血液中を漂っている余った糖質はインスリンと呼ばれる膵臓から分泌されるホルモンによってグリコーゲンという貯蔵に適した形に変換されて肝臓へと運ばれます。しかしここでも貯蔵庫(肝臓)が一杯になってしまえば残る道はただ1つ。人体最大のエネルギー貯蔵庫である脂肪細胞へ脂肪として蓄えられていくのです。これが体脂肪ができるメカニズムであり、肥満体を形成する唯一の手段なのです。

 

2-2.体脂肪はどこに付く?

脂肪細胞の存在を知れば、筋肉が脂肪に置き換わるといった誤解も解けることでしょう。

それでは次に、脂肪細胞はどこに存在するのか調べていきましょう。

※脂肪細胞のイメージ

 

脂肪細胞はその分布によって名前が異なります。内臓の周囲に存在するものを内臓脂肪、そして皮膚と筋肉の間に存在する脂肪細胞を皮下脂肪と呼びます。

 

内臓脂肪リンゴ型体型に代表されるようなドンと突き出たお腹が特徴であり、皮下脂肪はいわゆる洋ナシ形体型に見られるたるんだ二の腕やお尻、腰まわりが特徴と言えます。

つまりこれら脂肪細胞は筋肉を構成する筋線維とまったく異なる構造であり、あくまでも筋線維のまわりに無数存在する細胞に過ぎないということがご理解いただけたのではないでしょうか。

 

始めは小さい脂肪細胞も、過剰な栄養摂取によって増加した血液中の中性脂肪などの脂質や糖質(合成されて中性脂肪に変換される)を取り込むことで大きく球体のように膨らみ、肥満体が出来上がるのです。

 

2-3.筋肉はどのように作られる?

筋肉を作るために必要なポイントはトレーニングだけではなく、運動と栄養、そして休養の3つ必要とされています。そしてこの3つが整うことで効率よく筋肉を強く(太く)することができるのです。

筋肉が強く・太くなる為に大切なものは筋肉を構成する筋線維であり、トレーニングによって筋肉に負荷を掛けることで、筋肉を構成する筋線維は一時的に破壊されます。

そしてこのダメージを修復する過程を繰り返すことで筋線維は次第に太く・強くなっていくのです。

 

第3章【見た目の変化はなぜ起こるのか?】

脂肪と筋肉が構造的にまったく異なることは、体積にも影響を及ぼします。体積とはいわゆる“見た目のサイズ”に関わる問題なのです。

 

それでは何故筋肉が付けば同じ体重でも引き締まって見えるのか、解き明かしていきましょう。

 

3-1.筋肉と脂肪の重さの違い

ダイエットやボディメイクを始めたけど中々体重が減らない。むしろ増えた?という経験をした人もいるのではないでしょうか?

手っ取り早く言うと、筋肉は脂肪に比べて小さくて重いのです。これはつまり、身長と体重が同じ50kgの女性でも、体脂肪が多いほうが身体のサイズが大きく(太って)見えてしまいます。

 

体脂肪の密度は0.9g/㎖、筋肉の密度は1.1g/㎖とされており、筋肉のほうがより“詰まっている”ことを表しています。

そして体積(いわゆる見た目)に関しては、

 

脂肪:筋肉=1:0.8

 

となり、約20%身体が絞られた状態に近づきます。

これが体重ばかりにこだわってはいけない理由なのです。当然筋トレによって筋肉量は増えているため基礎代謝は向上し、太りにくい体質に変わるためリバウンドが怖い方の強い味方となることでしょう。

 

これでもあなたは食事制限にこだわってダイエットを続けていきますか?

筋肉をつけずに栄養不足の状態で体重だけ落としていくと、見た目の締まりは生まれないどころかあなたの健康を害する可能性だってあるのです。

 

第4章【脂肪ではなく筋肉を失ってしまう4つの悪習慣】

体重が落ちる理由には2つあり、1つは体脂肪を燃焼することですが、もう1つはダイエットやボディメイクを目指す方にとって必ず避けたいものです。それは筋肉の減少です。

 

悲しいことに、筋トレをまったくすることなく、過度な食事制限によって減少した体重の内訳のほとんどは筋肉です。人に身体には基礎代謝という呼吸や内臓による消化活動など生命を維持するために最低限必要なエネルギー量があります。この基礎代謝を維持するために必要なエネルギー量を大幅に下回ると身体は飢餓(栄養不足)と勘違いし、省エネモードに切り替わります。この時点で身体の目的は“生命の維持”へとシフトし、とにかく生き延びるために必要なエネルギー源を確保しようとします。このエネルギー源が体脂肪であり、体脂肪を極力消費しないようにするため、今度は筋肉の分解を始めてしまうのです。

 

体内のエネルギーが不足した時は、肝臓や筋肉内に備蓄してあるグリコーゲン(いわゆる糖質・炭水化物)や体脂肪、そして筋肉自体のタンパク質を分解してエネルギーを補給します。

つまり無駄な摂取エネルギーを減らすことは勿論のこと、栄養バランスを考えた上で筋肉を増やす(使えるようにする)トレーニングを行うことが大切なのです。

 

4-1.日本人は苦手?タンパク質の摂取量が少ない

栄養のバランスというお話をしましたが、今度は具体的にどのような栄養バランスが必要なのか気になるところですよね。

 

食べる量は勿論気を付けなければならないポイントですが、何を食べたかも気にしなくてはなりません。これはつまりという事ですね。

タンパク質とは脂質や糖質と並ぶ3大栄養素の1つです。このタンパク質の役割は、筋肉を作るだけでなく爪や髪の毛、血液成分、そして皮膚などの私たちの身体の欠かせないものを作ることなのです。

 

タンパク質が不足することで筋肉が細いままというのは想像がつきますね。身体は常に新陳代謝を繰り返しており、日々新しい細胞が作られ続けています。しかしタンパク質の不足は更に髪の毛のコシを失わせ、ハリのない肌を形成してしまいます。

 

一般的な生活を送る場合、一日に必要なタンパク質は体重1kgあたり1日1.2g程度と言われています。しかしダイエットやボディメイクを行っている場合は体重1kgあたり1日1.6g~2gのタンパク質を摂取するほうが良いのです。これは体重50kgの人であれば1日80g~100gのタンパク質(1日に必要な摂取カロリーの約30~40%)を摂取することになります。

 

4-2.トレーニング後の栄養補給を怠っている

ダイエットに為に食事のコントロールは非常に大切です。

どんなにハードなトレーニングをしても、直後に毎回ケーキやお菓子を食べてしまってはせっかくのトレーニングも台無しにしかねません。かと言って食べなさすぎも問題なのです。

 

トレーニング後にエネルギーを補給しなければ身体の回復が遅れるだけでなく、疲弊した筋肉が修復されずに失われてしまうことだってあるのです。これはトレーニングを習慣的に行っている人は必ず避けたい所。そこでやはり重要なのが上述したタンパク質(プロテイン)の摂取です。トレーニング後15~30分以内にプロテインドリンクやサラダチキンなどを摂取して20g~30gのタンパク質を補給していきましょう。

 

4-3.筋トレをしていない

そもそも筋肉の発達の為にトレーニングを欠かすことは出来ません。普段から運動量が少ない場合、食事をどんなに改善しても筋肉をつけることが難しいのです。

 

実際の研究で、BMI指数(身長-体重比)が肥満を示す人々に対して「筋トレを実施したグループ」は「筋トレを実施しなかったグループ」よりも脂肪の減少率が高かっただけでなく、筋肉の減少率も抑えることに成功したのです。

ダイエットやボディメイクを達成するためにも、食事制限だけでなく筋トレを始めてみることが非常に大切なのですね。

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そして更に、トレーニングの原理・原則として筋肉をつける為には「既に持っている能力以上の負荷でトレーニングを続ける」ことが大切なのです。これはつまり楽な負荷でどんなに長時間トレーニングを行ってもあまり効果は期待できないことを表しています。

 

これらのポイントを知っておけば、あなたは食事を見直して筋トレを始めたくなることでしょう。

 

4-4.睡眠時間が足りていない

力強い筋肉や引き締まった筋肉を作るために、食事筋トレに目を向けるでしょう。しかし本当にそれだけで良いのでしょうか?ここで本当に知っておいていただきたいのは、筋肉は“寝ている間”に作られるということです。

 

成長ホルモンは脳下垂体で、男性ホルモン(テストステロン)は精巣から(女性では卵巣や副腎から5~10%程度)分泌され、全身を血流に乗って巡るように作用して筋肉の合成(強く・太くする)を促しています。

そして鍛えられてダメージを受けた筋肉自体からも「インスリン様成長因子(IGF-1)」という成長ホルモンに似た物質が分泌され、局所的に働いて筋肉の合成に大きく貢献することがわかっています。

 

これら筋肉の合成を高めるホルモンが最も分泌されるのが22:00~26:00の間であり、この時間帯にしっかり眠っておくことが、筋肉を効率よくつける大切なポイントなのです。

 

第5章【脂肪と筋肉のミルフィーユは痩せにくい?】

体脂肪率が高い人がいきなりトレーニングを始めたり、何度もリバウンドを繰り返している人が筋トレを行うことで、「脂肪の上に筋肉がついてしまい痩せられなくなる・・・」という噂を耳にしたことがあるのではないでしょうか?

 

これは真っ赤なウソです。

 

筋肉はかならず骨や関節を繋いでおり、その間に脂肪細胞が入り込む隙間はありません。そして筋肉の表面には脂肪細胞は多数存在するものの、新たに鍛えられた筋肉が表面を覆うこともありません。

痩せられないのは食事量やバランス、そして筋肉量の不足による基礎代謝の低下が原因であり、決して筋肉と脂肪がミルフィーユ状になったせいではないのです。

 

この事から、あなたがトレーニングを避ける理由はなくなったことでしょう。

 

第6章【筋肉が衰えて起こるロコモティブシンドローム】

“超”高齢化社会を迎えようとしている日本は、世界でも有数の長寿大国です。平均寿命は男女ともに80歳を超えており、それに伴って日常生活に介護や支援が必要となる方も急増しています。

 

この数年で聞かれるようになった「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」。あなたは詳しく知っていますか?これはつまり加齢に伴う関節の疾患(変形やリウマチなど)や筋力の低下に伴った転倒による骨折が原因で“寝たきり”や“要介護”になるリスクが高い状態の事を言います。

 

そして運動習慣をつけることが健康の維持に繋がります。ボディメイクやダイエットだけでなく、健康寿命を延ばすためにも日頃からトレーニングの習慣をつけることが大切なのです。

筋肉や骨、軟骨、椎間板は普段から適切な運動による負荷を掛け続けることで維持されており、様々な研究でもトレーニングを習慣的に行っている人は行っていない人に比べて骨が強い(圧迫骨折などを起こしにくい)とされています。

 

つまり今の内からトレーニングの習慣をつけておくことで、あなたのダイエットやボディメイクを成功させるだけではなくより健康的なカラダへと導いてくれるのです。

 

第7章【まとめ】

今回のコラムでは脂肪と筋肉の関係についてお話をしました。

「太った」「痩せた」言葉にすればすごく簡単ですが、なぜ太るのか?どのようにして太るのかを詳しく知ることが、どんなに素晴らしいトレーニング方法を知ることよりもあなたのダイエットやボディメイクを成功させる近道となるでしょう。

 

体重計と毎日向き合って、一喜一憂するようなダイエットから解放されたくありませんか?そして鏡の前に立つことが楽しくなるような生活を手に入れましょう。

 

くびれ美人のパーソナルトレーニングでは、ただトレーニングを提供するだけではなく、あなたの身体の歪みを調整し、トレーニングに適した身体作りから始めていきます。歪みを調整することで、トレーニングの効率を高めるだけでなく姿勢を根本から改善することができるのです。

 

運動が苦手な方、時間があまり取れない方でも、まずはくびれ美人パーソナルトレーナーにご相談ください。

くびれ美人パーソナルトレーナー

山戸