垂れたバストを再びアップさせる大胸筋・小胸筋エクササイズ5つ
前回の胸のコラムでは、バストアップに効果的なベンチプレスについてご紹介をさせて頂きまし た。
今回は、もう少し実用的な、ご自宅でも出来るトレーニングについてお話をしていこうと思いま す。
元々、バストが大きかった方も、小さかった方も、気がつけばバストの位置が下がってきている ということはありませんか?
このバストの位置が下がってくる原因は、主に加齢により胸の筋肉が落ちていることが原因だと 考えられます。
その他にも、
・クーパー靭帯の伸び
・姿勢の悪さ
・サイズの合わない下着
など、日常生活の中でバストが下がってしまうのです。
でも、諦める必要はありません。
上向きのバストは、取り戻すことが出来ます。
前回に引き続き、胸のトレーニングについてご紹介致します。
胸のトレーニングで得られる成果として、
・上向きのバストを手に入れる
・バストが下がることを予防
・姿勢の改善
などが期待できます。
垂れてしまっているバストも改善出来ますが、現状下がっていない方もバストの位置が下がって しまうことを予防することが出来ます。
先程お話を致しましたように、バストが下がってしまうことの原因は主に加齢です。
従って、避けて通ることの出来ない道なのです。
少しでも長く上向きのバストを維持するためにも予防していきましょう。
目次
1. バストが垂れる原因
1-1. 主な原因は加齢
冒頭でも、お話を致しましたように、気が付いたときにはバストの位置が下がっていたという方 はいらっしゃるのではないでしょうか。
このようにバストの位置が下がってくるのは、「加齢」が主な原因と考えられております。 加齢によるバスト位置の低下というのは、女性であれば避けて通ることの出来ないことです。
「加齢」によるバストへの影響は、
・女性ホルモンの減少
・筋肉の萎縮
などが考えられます。
バストは女性ホルモンである「エストロゲン」により、乳腺の発達やバストの張りを保つことが 出来ています。
しかし、ご存知の方は少ないかと思いますが、体内から分泌されるエストロゲンの量は加齢と共 に減少していきます。
そして、このエストロゲンの減少に伴いバストの張りがなくなり、位置も下がっていくと考えら れます。
また、筋肉の萎縮についてですが、こちらに関しても加齢と共に筋肉量は減少していくことが知 られています。
胸を支えているのは、主に大胸筋という胸の下にある筋肉です。
加齢と共にこの大胸筋が萎縮してしまうと必然的にバストは垂れてしまいます。
土台がしっかりしていないと、その上の物は崩れやすくなってしまいますよね。
この土台というのは筋肉です。
裏を返せば、トレーニングで補強することが出来るのです。
トレーニングなどを行わず放置していると、そのバストの垂れというのはどんどん進行してしま います。
最小限に留めるためにも、気が付いたその日から、そうなる前にトレーニングを開始しましょ う。
1-2. クーパー靱帯の伸び
クーパー靭帯は胸の乳腺や、脂肪分を吊り下げている靭帯を指します。
クーパー靭帯が正常であれば、しっかりと上向きの綺麗なバストを維持することが出来ます。
しかし、このクーパー靭帯は伸びたり切れてしまっていると、バストの形が崩れ、バストが下に 垂れてしまう原因になります。
きちんとサポートしない状態での激しい運動や妊娠・出産により、クーパー靭帯は伸びてしまい ます。
このクーパー靭帯は直接鍛えることはできません。
しかし、大胸筋や小胸筋といった胸を支える筋肉をトレーニングすることでクーパー靭帯はある 程度守ることが出来ます!
1-3. 姿勢の悪さ
バストが垂れる原因として考えられるものに、姿勢の悪さがあります。 これについては、当てはまると感じた方がほとんどではないでしょうか?
「美しい姿勢をとって下さい」と声をかけると、多くの方は胸を張る動作をします。
その胸張るという動作は、左右の肩甲骨を引き寄せ、下に下げる動きです。
左右の肩甲骨を引き寄せるために働く筋肉は、菱形筋と言い、左右の肩甲骨の間に背骨を挟むよ うに存在しています。
特に注目したいのは、肩甲骨を引き寄せ下に下げる、さらに後傾させるために大きな役割を担っ ている僧帽筋下部です。
僧帽筋は首から肩甲骨にかけて存在し、僧帽筋下部は肩甲骨あたりの部位を指します。
バストアップのためのトレーニングとして着目されるのは、身体の前面にある筋肉ですが、実は肩 甲骨を身体の背面から押し上げる筋肉である、菱形筋と僧帽筋下部も大きな影響を与えていま す。
この菱形筋・僧帽筋下部が弱くなると、肩甲骨同士が離れ、肩は前方に丸まり、猫背になってし まいます。
猫背になると胸が下向きになるので、その状態が続くとクーパー靭帯も下へ引っ張られ伸びてし まいます。
また、姿勢が悪いと大胸筋と小胸筋の筋力が衰えてしまい、胸のコリの原因にもなります。
大胸筋・小胸筋のようなバストの土台となる筋肉が衰えると、さらにバストが垂れる、という負 の連鎖が始まります。
この負の連鎖は、断ち切らなければなりません!
姿勢を改善し、バストを守りましょう。
そして、土台となる筋肉を育てていきましょう。
2. バストの土台の大胸筋と小胸筋!
バストは90%の脂肪組織と10%の乳腺組織から構成されています。 ほとんどが脂肪で出来ているということです。
そして先程もご紹介致しましたように、その組織を上へ引き上げているのはクーパー靭帯。
さらにそのクーパー靭帯を支えているもの、つまりバストの土台となっているのは「大胸筋」と 「小胸筋」です。
2-1. 大胸筋
大胸筋は胸の最も大きな筋肉です。
バスト全体を支える役割を果たしています。
日常生活の中では「胸の前で物を抱きかける動作」や「うつ伏せの状態から腕を使って身体を起 こしあげる動作」などに関与します。
大胸筋は上部・中部・下部の3つの部位に分けることが出来ます。
基本的には、身体の前部で腕を押し出す動作の際動員されますが、それぞれ働きが少しずつ異な ります。
大胸筋上部:顔の前で腕を押し出す
大胸筋中部:胸の前で腕を押し出す
大胸筋下部:お腹の前で腕を押し出す
中でも、大胸筋上部は胸を引っ張り上げる力を持つ部位です。
そのため、大胸筋上部を鍛えることで、垂れてしまったバストを引き上げることが出来るので す!
自分の狙いたい筋肉に応じて、トレーニングの角度などを少しずつ調整すると効率よくトレーニ ングできますね。
2-2. 小胸筋
大胸筋は胸の表面全体を覆っている筋肉ですが、その大胸筋の奥にあるのが小胸筋です。
胸のインナーマッスルですね。
この小胸筋は、肩甲骨を動かしたり、呼吸の時に肋骨を動かしたりする役割のある筋肉ですが、 女性の場合バストを引き上げる役割も担当しています。
小胸筋が上手く働かない状況であるとバストが横に流れてしまい、いわゆる「離れ乳」になって しまいます。
離れ乳の状態はクーパー靭帯も左右に伸ばされており負担がかかっていることから、バストを垂 れさせないという目的に対しては悪い状態であると言えます。
逆に小胸筋がしっかり機能していると、バストは身体の中心方向へ寄せることが出来ます。
さらに、クーパー靭帯への負荷も減るため垂れにくいバストに繋がるでしょう。
3. トレーニングのメリット
3-1. 上向きのバストを手に入れる
バストの土台となる筋肉「大胸筋」「小胸筋」これらをを鍛えることで、土台をつくることが出 来るため、垂れてしまったバストも復活させることが出来ます。
また、クーパー靭帯の伸びや負担を減らしバストアップする事ができると考えられます。
大胸筋や小胸筋はそれぞれ、胸を引き上げる力があるというお話をさせて頂きました。
従って、これらの部位を鍛えることで下がってしまったバストの位置も改善することが出来ます。
理想的な上向きバストを手に入れましょう!
3-2. バストが下がることを予防
重力により、バストの位置が下がってくのは仕方のないことです。
しかし、これまでお話をしてきたように、バストを支えているの土台となるのは筋肉です。
裏を返せば、その土台となる筋肉を鍛えることで、バストの位置が下がってしまうという現象を 遅らせることは可能なのです。
また、元々胸の筋肉が少ない方に対しては、大胸筋上部に筋肉がつくことでバストアップの効果 も期待されます。(cf.ベンチプレス)
ダイエットのために筋肉をつける、というお話はよく耳にするかと思います。
今回、バストアップ、つまり大きくするために筋肉をつけるということは、これまでの考え方とは 違うと思われる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
これがボディメイクなのです!
減らしたいところは減らし、大きくしたいところを大きくする。
自分の理想とするボディラインを作ることは出来ます。
まだ垂れていないから、と後回しにして後悔することのないように、今のうちから継続的にト レーニングを行なっていきましょう!
3-3. 姿勢の改善
バストが下がる原因として、猫背などの姿勢の悪さが関与している、というお話はご理解頂けて いるかと思います。
これは、大胸筋や小胸筋といった、バストを支えている筋肉が猫背により衰えてしまっているこ とで、バスト位置が下がっているということですね。
では、この衰えている筋肉を鍛えるとどうなるでしょう?
姿勢改善に繋がります!
美しく胸を張ることが出来るようになります。
また、菱形筋や僧帽筋下部といった肩甲骨を下に下げる部位のトレーニングを行うと、背面から も身体を支えることが出来、美しい姿勢を保つことができるようになるでしょう。
バスト位置を高くすることは、美しい姿勢に繋がっています。
胸のトレーニングだけではなく、身体を立体的に捉え、鍛えていきましょう!
4. バストを引き上げるエクササイズ
4-1. 小胸筋ストレッチ
小胸筋はバストを引き上げる力があります。
しかし、猫背の状態では小胸筋が衰え、凝り固まっています。
そこで、まずは小胸筋をほぐす動きから見ていきましょう。
まず、脇よりも身体の中心側、鎖骨の下を押します。
筋肉を触るような意識を持ちましょう。
奥の方に固い筋肉があるはずです。
小胸筋を押した状態のまま、腕を前後に動かしてみましょう。
小胸筋が凝っている人は、この動作で痛みがあるかと思います。
このように小胸筋に痛みを感じた方は、痛みが弱くなるまで腕を動かしていきます。 また、押している筋肉が少しずつほぐれ柔らかくなります。
そのような感覚を得るまで続けます。
この小胸筋をほぐす動きは、職場などでも出来ますね。
長時間のデスクワークなどで猫背になってしまっている方はこまめに行うようにして下さい。
4-2. 胸式呼吸
小胸筋は、呼吸の時に肋骨を動かしたりする役割のある筋肉です。
そこで、胸式呼吸をすることで小胸筋を動かす練習をしていきましょう。
胸式呼吸は、胸空気を入れる呼吸法です。
肋骨を動かしながら呼吸をすることで小胸筋を使います。
では、やり方を見ていきましょう。
まずは、仰向けになります。
今回はストレッチポールの上で行なっておりますが、ご自宅にストレッチポールがなければ床や ベットの上で行なって下さい。
そのまま、鼻から大きくゆっくりと息を吸います。
この時、お腹ではなく胸にしっかりと空気を入れます。
胸郭を開くように、肋骨を前後左右に広げて空気をたっぷり取り込むイメージを持ちましょう。
しっかりと胸が広がったら息を吐きます。
息を吐く時はお腹からも空気出すような意識で、吸った時の倍の時間をかけて、ゆっくりとすべて 吐き出します。
また、息を吐くときは、胸の中にあった空気を出し切り胸郭を閉じて、広がっていた肋骨を ギュッと縮めていきます。
この肋骨を開く・閉じるの動作に小胸筋が関与しています。
大きな動きが出来るようになることを目標に練習していきましょう。
4-3. インクラインダンベルベンチプレス
通常のベンチプレスでは、フラットなトレーニングベンチの上でバーベルを利用して行います。
今回ご紹介する「インクラインダンベルベンチプレス」は、ベンチプレスのバリエーションで、角 度をつけたベンチの上でダンベルを用いトレーニングを行います。
ご自宅で行う際は、バランスボールなどを使って角度をつけて行なうことも出来ます。
インクラインダンベルベンチプレスは、通常のベンチプレスよりも、大胸筋上部つまりバストを 引き上げる部位の筋肉に強く効果を発揮します。
垂れた胸を引き上げるために是非おススメしたいトレーニングです!
まず、壁際にバランスボールをセットします。
身体の傾きが30度~45度になるように腰の位置を決め、座りましょう。
しっかりとバランスボールに身体を預けながら、胸を張ります。
バストトップが頭上方向へ引っ張られているようなイメージを持ちましょう。
両手にダンベルを持ち肘を曲げた状態で胸の横に下ろします。
そこから、肘を伸ばしながら顔の前まで持ち上げます。
より大胸筋上部に刺激を与えるため、ダンベルを持つ手の甲を内側に向けるように捻ります。
こうすることで、そのまま動かすよりも、大胸筋上部へ刺激が入りやすくなります。
この動きを10回繰り返しましょう。
4-4. ダンベルフライ
ダンベルフライでメインターゲットとなるのは「大胸筋中部」です。
大胸筋中部を鍛えることで、バストの土台作りをしましょう!
ダンベルを持ってベンチやストレッチポールの上に仰向けで寝転がります。
肩甲骨を身体の中心側にしっかりと寄せて胸を張ります。
この時もインクラインベンチと同様に、バストトップを頭上方へ引き上げるようなイメージで胸 を張りましょう。
しっかり肩甲骨を寄せて胸を張ることで肩が前に出づらくなり、大胸筋に負荷がかけやすくなり ます。
ここまでがセットポジションです。
では、腕を開いてダンベルをゆっくり降ろしていきます。
この時、肘は軽く曲げダンベルが顔の横へ来るように下ろしていきます。
下まで下ろすことが出来たら、今度はダンベルで円を描くように持ち上げセットポジションへ戻 します。
ダンベルを下から上に突き上げるように動かすのではなく、少しヒジを曲げて両手で円を描くよ うにダンベルを上げることで、より大胸筋を使うことが出来ます。
ダンベルフライでは、胸の筋肉ではなく、腕の筋肉を動員してしまっているケースがあります。
腕でダンベルを持ちあげるのではなく、大胸筋が収縮したことでダンベルが持ち上げられている という意識を持ちながら行いましょう。
この動作を10~15回繰り返しましょう。
4-5. プッシュアップ
プッシュアップは一般的に「腕立て伏せ」として知られているトレーニングです。
腕のトレーニングとして考えられやすいですが、実はメインターゲットは腕よりも胸の筋肉です。
強度のコントロールも可能なので、自分の筋力に合わせて行いましょう。
まず、肩幅より少し広めに両手をつきます。
今回は膝をつき、腕とで膝で身体を支えます。
この時、肩・腰・膝が一直線になるようにキープしましょう。
お尻の位置が下がってしまうことがありますが、お尻の位置が下がってしまうと、腰に過剰な負 担がかかってしまうため、注意しましょう。
ゆっくりとヒジを曲げて体を下ろします。
身体をゆっくりと下ろし身体を十分に落としましょう。
しかし、深く沈み込みすぎてしまったことで、お尻が下がってしまう場合は、身体を一直線に保 てるまでの位置にしましょう。
身体を下ろすことが出来たら、胸に力を入れ身体を持ち上げます。
この動作を10回繰り返します。
また、床に近いところま身体を落とすほど、負荷が大きくなります。
身体のラインは一直線にキープしながら、できるだけ深いところまで体を落としてみましょう。
膝つきのプッシュアップに余裕が出てきた人は、膝を伸ばし、爪先で身体を支えるようにするこ とで負荷が増大します。
ぜひチャレンジして下さい!
5. まとめ
今回は、垂れてしまったバストの戻し方!ということで、胸のトレーニングなどをご紹介させて 頂きました。
バストが垂れてしまう、ということは女性であれば避けて通ることはできません。
ですが、適切なトレーニングをすることで戻すことは出来るという点についてご理解頂けたで しょうか?
ポイントは、バストの土台作りと引き上げる能力の向上です。
これらは「胸の筋肉を鍛えること」で可能になります。
これまで諦めてきた、という方に対してお役に立てれば幸いでございます。