猫背姿勢で下半身が太く見えるのは何故?10つのルーティンエクササイズで脚痩せしよう

現代社会において、パソコンやスマホなどを手放した状態で過ごすことなど、ほぼ不可能に近いのではないでしょうか?

 

このような生活様式の変化に伴い変わっていくあなたの身体。ついつい猫背になっていませんか?

 

実は猫背姿勢を放っておくと下半身の筋力バランスが崩れ、太りやすくなってしまうのです。

 

そこで今回は、猫背姿勢が招く下半身太りと脚痩せのためのルーティンエクササイズ9つをご紹介しましょう。

 

第1章【なぜ猫背が下半身に影響するのか?】

とにかく脚痩せをしたいのであれば今すぐ下半身のトレーニングを中止し、トレーニングプランを見直してください。

 

「筋肉量が足りないからトレーニングをするんじゃないの?」

 

と思った方も多いと思いますが、下半身に関しては少しばかり事情が異なります。

 

二足歩行である我々人間は自分の体重をその両足によって支えているため、あくまで相対的にですが、必ずしも筋力が少ないという訳ではないのです。

 

しかし問題は筋肉の付き方にあります。

 

簡単に言うと、姿勢が悪くなることで筋肉のバランスが崩れ、部分的に太くなって(太く見えて)しまうのです。

 

この代表的な姿勢が猫背であり、美容面だけでなく健康面にも大きな影響を与えてしまうのです。

 

1.骨盤の後傾

猫背とは姿勢変化のざっくりとした総称であり、正確な表現ではありません。

 

しかし背骨(脊柱)が丸まることにより、身体の土台となる骨盤の生理的な傾斜に変化が生じてしまいます。それが骨盤の後傾という訳です。

 

立位姿勢において、本来人間の脊柱は頭から骨盤に掛けて緩やかなカーブを描いています。

頸椎→前弯

胸椎→後弯

腰椎→前弯

このようなカーブを生理的弯曲と呼び、まるでバネのように身体へ伝わる衝撃を吸収する機能を担っています。

 

しかし冒頭で記載したように、背中が丸まってしまう猫背姿勢では腰椎の前弯が減少(または消失)し、バランスを取るための順応として骨盤は後傾してしまうという訳です。

※左図に比べ、右図は骨盤が後方へ傾斜していることがわかる。

 

2.崩れる太ももの筋バランス

ただ姿勢が悪くなるだけであればまだ良いものの、本当の問題はその先にあります。

 

骨盤の前後には多くの筋肉が付着しており、まるで滑車のように前後のバランスを調整しています。

 

股関節の前方に位置する腸腰筋は収縮すると骨盤を前傾させる働きを持ち、同じく前方に位置する大腿直筋(大腿四頭筋の一部)も収縮することで骨盤を前傾させます。

 

また背中の筋肉(脊柱起立筋・多裂筋)も収縮することで骨盤の前傾を促します。

※上から順に脊柱起立筋・腸腰筋・大腿四頭筋。

 

反対に、股関節の後方に位置するハムストリング大殿筋が収縮(または萎縮)することによって骨盤は後方に引っ張られ、後傾してしまいます。

 

これに加えて腹直筋の過度な収縮(萎縮)による骨盤の後傾も確認できるため、注意が必要です。

※上から順に、腹直筋・大殿筋・ハムストリング。

 

つまりこれらを整理していくと、骨盤の後傾によって大腿四頭筋の筋活動は亢進し、過度な筋活動によって大腿四頭筋は発達し、ハムストリングや大殿筋は萎縮してボリュームを失ってしまうのです。

※骨盤の後傾位に伴う身体変化。

 

ここまでで、大腿四頭筋を鍛えることは全くもって無意味であることがわかりますよね?

 

また皮下脂肪が溜まりやすくなった太もも裏やお尻まわりの筋肉を鍛えても、根本となる身体の使い方を改善する必要があるため、こちらも同様にただ鍛えることは無意味なのです。

 

第2章【身体の歪みをチェックしよう】

ただ下半身の筋トレを頑張るだけでは脚痩せを達成することが出来ないのが理解できたのではないでしょうか?

 

そして残念なことに「それでは早速ストレッチをしていきましょう・・・」とはいきません。まずは本当にあなたが猫背タイプの身体なのかを確かめる必要があります。

 

それでは簡単に出来る猫背チェックを行っていきましょう。

 

1.壁に背中を付ける

二足歩行である人間には重心線と呼ばれる身体の軸が存在しています。

▪耳

▪肩峰(肩甲骨の一部)

▪大転子(大腿骨の一部)

▪膝

▪外くるぶし(やや前方)

一番上部のある耳から地面に向かって垂直に線を引いた際、これら5つのポイントが一直線になれば前後のバランスが均等であり、正しい姿勢に近いとされます。

 

ただ地面に立つだけでは一般の方にとって判断が難しいので、このように壁に背中を付けるように立ってみましょう。

※“かかと”を壁にしっかりつけておく。

 

この時、が壁から離れてしまうようであれば猫背姿勢である可能性が高く、下半身太りのリスクが高いことがわかります。

 

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2.四つ這いローテーション

次に、背骨(脊柱)の柔軟性をチェックしていきましょう。

 

猫背姿勢の大きな特徴として胸椎の柔軟性(回旋)能力低下が上げられます。

 

このように四つ這いの状態から背筋を伸ばした状態で膝を畳み、片手を頭の後ろにおきます。

 

そのまま腰がなるべく動かないように上半身を捻っていきましょう。この際、肘の位置が170180°に達していなければ胸椎の柔軟性は低下しており、猫背姿勢傾向にあると言えます。

 

第3章【脚痩せが実現するポイント】

それでは早速エクササイズに移りましょう!と言いたいところですが、その前にエクササイズのポイントを整理しておきましょう。

 

結局のところ、猫背が招く身体の変化を最小限抑えれば良い訳ですから、トレーニング中にも当然注意が必要なポイントがあります。

①背筋を伸ばすこと

②胸を開くこと

③股関節を使うこと

特に3つ目は、猫背姿勢の方、太ももまわりの下半身太りが気になる方は特に注意が必要です。

 

次章で解説するデッドリフトに記載していますが、股関節を畳む動作を獲得することで大腿四頭筋の無駄な筋力発揮を防いでくれるのです。

 

第4章【脚痩せを目指す美脚トレ10選】

それではここから、脚痩せのためのトレーニング実践に入っていきましょう。

 

ストレッチも含め、一から順に行うことで猫背が招く下半身太りを改善する美脚トレの決定版となっています。

 

1.ハーフニーリングチェストローテーション

背骨の柔軟性が低下することで、確実に上半身の可動域は低下してしまいます。

 

可動域の低下に伴い大胸筋や腹直筋の柔軟性も低下するため、猫背姿勢が助長されてしまうのです。

 

そこで大きく胸を開くような脊柱の柔軟性エクササイズを取り入れることで、美脚トレーニングのための下準備を行っていきましょう。

 

□方法

①足を前後に開いて片膝をつき、両手を前方に伸ばしておきます。

 

②前側の足と同側の腕を大きく開きながら身体を捻っていきましょう。この時上体が傾かないように注意しながら左右10回ずつ行っていきます。

※お腹のストレッチ感と肩甲骨まわりの筋肉の収縮感を意識しながら行っていきます。

 

2.バンキングエクササイズ

固まった肩甲骨まわりは、やはり猫背姿勢を改善のために大きな障害となります。

 

そこで肩甲骨を寄せながら胸を開くバンキングエクササイズを実施することで、上半身の柔軟性を手に入れることが出来ます。

 

□方法

①膝立ちの状態(イスに座った状態または立位姿勢のままでも良い)で両手を頭上に掲げて手を揃えます。

 

 

②手首を返すように意識しながら、肘を下げて左右の肩甲骨を引き寄せる動きを行っていきましょう。これを10行っていきます。

※肘を下げつつ胸を上方に突き出す意識を持つと、肩甲骨の柔軟性をより高めることが出来ます。

 

3.ハーフニーリングエロンゲーション

骨盤を後傾させてしまう腹直筋をストレッチし、猫背姿勢を改善させていきます。

 

日常生活において腹筋をストレッチする機会は極端に少なく、見落としがちなポイントであるため、是非意識的に行っていきましょう。

 

□方法

①片膝をつき、両手を胸の前で揃えます。

 

 

②両手を大きく突き出すように空に向かって掲げていきましょう。そして腹筋まわりのストレッチ感が出たところで息を吐きるよう意識し、元の位置に戻ります。足を入れ替え、左右5回ずつ行っていきましょう。

 

4.ワイドスクワット

太ももまわりで特に気になりやすい内ももを鍛えていきます。

 

主に内転筋のトレーニングですが、股関節を外に開く動きでは大殿筋も活性化されやすいので、積極的に取り組んでいきましょう。

 

□方法

①足を腰幅の倍に開き、つま先を45°を目安に開いていきましょう。

※膝とつま先を同じ方向に向ける意識を持つと、内転筋のトレーニング効果が高まります。

 

②膝が内側に入らないよう注意しながら、太ももが床と平行になる高さまで腰を落としていきましょう。これを10回×3セット行っていきます。

 

5.サイドランジ

ワイドスクワットと同様に内転筋を主に鍛えることが出来ます。

 

横方向への動きを伴うため、その分バランス能力が必要となることから姿勢改善効果が期待できるので、是非積極的に行っていきましょう。

 

□方法

①両足を腰幅程度に軽く開き、両手を胸の前で伸ばして置きます。

 

②背筋を丸めないよう注意しながら、足を側方に大きく踏み出していきます。そして股関節・膝・つま先をやや外側に開くように足を接地し、地面を蹴るようにして元の位置に戻ります。これを左右10往復行っていきましょう。

※最も深い位置で静止することで、トレーニング効果を高めることが出来ます。

 

6.バックランジ

主に大殿筋を鍛えることが出来る、立位でのトレーニングです。

 

足を前後に動かしながら行うトレーニングのため、バランス感覚に必要な体幹まわりも同時に鍛えることが出来ます。

 

始めは浅い角度からスタートし、慣れてきたら徐々に深い角度まで腰を落とすことで負荷量を調整することが可能であり、あなたのトレーニングレベルに応じて調整していきましょう。

 

またフロントランジよりもバックランジを行うべき大きな理由として、股関節の使い方にあります。

 

足を前方に踏み出すよりも、後方に引くほうが股関節の屈曲を促すことができ、脚痩せを邪魔する大腿四頭筋の筋活動を抑えることが出来ます。

 

□方法

両手は腰に当てたまま、足を腰幅程度に軽く開いておきましょう。

 

 

②上半身を軽く前傾させたまま、足を後方に伸ばして腰を落としていきます。これを左右交互に10往復行っていきましょう。

※股関節・膝・つま先が前方を向くように注意し、背筋を伸ばして行うことで大殿筋を効果的に鍛えることが出来ます。

 

7.ヒップアダクション

脚痩せを実現するためには、太ももの隙間を意識する必要があります。

 

そのために必要なのは内転筋であり、このヒップアダクションによって内ももをスッキリさせ、スラっとした下半身を目指すことが出来ます。

 

足パカエクササイズでは、大きく股関節を広げることで筋肉をストレッチする形となり、内転筋を引き締める効果はあまり期待できません。

 

しかしヒップアダクションでは重力に対して足を引き上げる形となり、内転筋の収縮を十分に促すことが出来るのです。

 

□方法

①横向きとなり、上側の足を立てるようにしながら上体を起こします。

 

②下側の足を伸ばしたまま、上に向かって引き上げていきましょう。これを左右10回×3セット行っていきましょう。

 

8.サイドプランク&ヒップアブダクション

お尻の外側を鍛える為にはヒップアブダクションと考える方は多いことでしょう。

 

確かにそれは有効ですが、脚痩せを実現させる為にはもっと左右のバランスに注意を払う必要があります。

 

そこでサイドプランクにヒップアブダクションを組み合わせていきましょう。

 

これにより中殿筋に加えて腹斜筋にも引き締め効果が期待でき、立ち姿勢や歩き姿勢に大きな影響を与えることができます。

 

□方法

①横向きとなり、肩の真下に肘が位置するように付けます。そして頭から膝までが一直線となるようにしましょう。そしてこの状態で腰を浮かせ、腕を真っ直ぐに伸ばします。

 

②上側の足を真っ直ぐに伸ばしたまま、反動を付けないように上に引き上げていきましょう。これを左右10行っていきます。

 

9.スプリットスクワット

通常のスクワットを行った場合、正しいフォームで実施しなければケガのリスクが増えるだけでなく、逆に足を太くしてしまう可能性があります。

 

しかし足を前後に開いて行うスプリットスクワットでは、目的となる大殿筋を効率的に鍛えることができ、脚痩せのポイントとなる股関節の動きの改善も図ることができるのです。

 

□方法

①片膝をついた状態で足を前後に開き、バランスを取ります。

※両手は胸の前で組み、お腹に軽く力を入れておきましょう。

 

②上体を少し前傾させ、前側の足に体重を掛けるようにして立ち上がり、元の位置に戻ります。これを左右10行っていきましょう。

 

10.デッドリフト

少し難易度は高いものの、股関節を畳むような動きによって太もも裏の筋肉である大殿筋ハムストリングを活性化させ、鍛えることができます。

 

太もも裏の筋肉を使うという脚痩せのポイントとは、この股関節を畳む動きが担っているのです。

 

□方法

①バーを持ち、足を肩幅に広げて自然に立ちます。

※この時バーを握る手を左右それぞれ順手と逆手にすることで、握力の負担を軽減することができます。

 

②“かかと”に少し重心を移し、お尻を後ろに引いて上体を前傾させるようにして股関節を畳みます。この時バーは太ももを沿わせるように手前に引きましょう。

※この時バーが体から離れたり、膝が前に出ると大殿筋やハムストリングに適切に刺激を入れることができないため注意しましょう。

 

③もも裏のストレッチ感が出るようにバーが膝を超えるくらいまで下げ、大殿筋やハムストリングを意識しながらゆっくり元の体勢に戻ります。これを10回3セット行っていきましょう。

※足関節から膝にかけて、常に床と90°を保つように意識しましょう。

 

第5章【まとめ】

いかがでしたか?

 

今回は猫背姿勢が招く下半身太りの理由と脚痩せルーティンエクササイズをご紹介致しました。

 

「ストレッチをすれば・・・」

「トレーニングをすれば・・・」

 

何か1つのことばかり繰り返すのではなく、本当に下半身太りに悩んでいるのであれば自分の身体のタイプを分析し、まずは姿勢の改善から取り組むダイエットプログラムをオススメします。

 

姿勢・身体はあなたの私生活を映す鏡です。

 

その根本から改善する脚痩せプログラムにチャレンジしていきましょう!

 

広島のパーソナルトレーニングジムくびれ美人

山戸 勝道

 

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