筋トレをどれくらいサボると筋肉が落ちるのか?【直ぐには落ちません】

何かに打ち込む時、多くの方はその行動を継続した結果(未来)を気にしています。

 

例えば資格や語学の勉強を始める動機は、習得した知識を駆使している自分の姿を想像したからですよね?

 

勿論これはダイエットを決意する際も例外ではありません。

 

筋トレによってダイエットを成功させ、理想的な身体を手に入れることで豊かになる自分の姿をきっと想像していることでしょう。

 

しかしその反面、必ず心の奥底に何かしらの不安が見え隠れしています。

 

「私に向いているのだろうか?」

「途中でやめてしまったらどうしよう・・・」

 

このように、ネガティブな理由からくる不安感は決して心地の良いものではありません。

 

実はダイエットを始めボディメイクに必要な筋トレは、結果が目に見えてわかる故に少しでも中断すると、また元に戻ってしまうのではないかという不安に苛まれる方が多いのが現状です。

 

そこで今回は、トレーニングをどれくらい中断すると身体にマイナスの変化が現れるのか詳しく調べていきたいと思います。

 

第1章【身体が鈍るのは神経から】

今まで継続して行ってきたトレーニングを中断すると、身体のリズムが崩れて何となく調子が悪くなる方は多いようです。

これは主に血液の循環と関与しており、運動不足によって手足末端への血流量が低下して疲労物質が溜まりやすくなるからと言われています。

 

そして筋肉のハリが無くなり、全体的に締まりが無くなったように感じますよね?

 

これがトレーニングを中断して自覚する身体が鈍った状態です。

 

ここでまず結論から申し上げますと、トレーニングを中断することで真っ先に弱るのは筋肉ではないということです。

 

身体を動かしたり、輪郭を形成するのは筋肉のはずなのに、それでは一体どこが弱ってしまうのでしょうか?

 

それは神経です。

 

筋肉を動かすためには、脳からの電気刺激を神経を介して筋肉に直接伝えなければなりません。

 

つまりトレーニングの中断によって、

運動神経

筋肉

という運動回路のうち、脳→運動神経の問題が真っ先に現れてしまうのです。

 

この後、筋肉と運動神経について触れていきたいと思います。

 

1.神経伝達が鈍る

人間の身体を構成する筋肉は、から運動神経を介した電気刺激によって動きを支配されています。

トレーニング中断後に身体が鈍ったと感じる一番の原因は、この電気刺激量(インパルス)の低下が原因と言われています。

 

しかし電気刺激量が低下すると言ってもなかなかピンときませんよね。そこであなたの私生活に置き換えていきましょう。

 

例えば食材を買い物に行くためにスーパーに寄るとしましょう。普段からいつも使っているスーパーへの最短ルートをあなたは熟知しているため、いとも簡単に到着することができます。

 

しかしいつも通っている道が突然通れなくなってしまえば、あなたは当然違うルートを探さなくてはなりません。右往左往しながらやっとのことで到着し、かかった時間はいつもの倍。

 

つまり、道がわからなくなった電気刺激が寄り道をしてしまった状態という訳です。

これと似たような状態が、あなたの筋肉を司る運動神経で起こっているのです。

 

しばらく使われなかった(筋肉に負荷がかからなかった)道は忘れられ、効率の悪い道を選択してしまう。これをヒトは鈍ったと感じます。

 

2.3週間が勝負

そしてこの現象が起こるのはトレーニングを中断した3週間以内と言われています。

 

逆に言えば、3週間程度の中断であれば今までと同じようなトレーニングが出来なくても急激に筋肉量が減る訳では無いということです。

 

仕事やプライベートの関係でトレーニングを一時的に中断してしまっても、せっかく鍛えた筋肉量自体がいきなり減ってしまう訳ではないと分かれば少し安心ですよね。

 

第2章【4週間を超えると筋肉は痩せてくる】

トレーニングを中断しても、始めは神経が鈍って筋肉に力が入りにくくなっただけ。

 

しかし安心するのも束の間。いつまでも筋肉量が維持できるはずがありません。

 

先ほどお伝えしたように、3週間程度であればトレーニングの中断による筋肉量の減少を最小限に抑えることが出来ますが、4週間以上の中断はあなたにとって少しネガティブな変化を生み出してしまいます。

 

今度は運動を伝える神経ではなく、筋肉自体の萎縮が始まってしまうのです。

 

1.筋線維の萎縮

「昔に比べて筋肉が痩せてしまった・・・」

 

これは長期間の運動不足が招いたネガティブな結果であり、筋肉量の低下は身体が弱ってしまう大きな原因なのです。

 

筋肉が衰えてしまえば基礎代謝の低下による肥満の間接的な原因や姿勢の崩れに伴う体形の変化、そして高齢者にとっては転倒リスクの上昇や生活習慣病に繋がります。

 

それでは次に、筋肉が衰えるメカニズムについて詳しく見ていきましょう。

 

上腕二頭筋や大殿筋など、筋肉は11つに名称があります。しかしそれぞれの筋肉は1つの塊ではなく、いくつもの筋線維が密に集まって束になることで形成されているのです。

筋肉を構成する線維状の細胞を筋線維という。手足を動かす骨格筋には1本の太い運動神経がつながり、更に筋線維ごとに枝分かれした運動神経がつながっている。神経の伝達が増えれば増えるほど動員される筋線維の本数が増え、その結果筋出力は向上する。また、筋線維もまた、更に細かい細胞である筋原線維が束となって構成されたものである。

前述したように、筋肉は使われなくなることで運動神経を介した電気刺激量が弱くなります。

 

そして長期間のトレーニング中断(4週間以上)に伴い筋肉の活動が行われなくなれば、筋線維と運動神経の関係性は更に薄れ、筋肉は萎縮(筋肉が細くなる)してしまうのです。

 

自然の摂理に伴い、使用されない組織は不必要なものと判断され退化するという訳です。

退化とは、全身の新陳代謝の過程において、特定の器官や細胞が次第に縮小してしまうことを言う。萎縮も退化の過程の一つとされる。鍛えることで元に戻る可逆性の萎縮と、戻ることが出来ない不可逆性の萎縮がある。

しかし筋肉は萎縮すると言っても、完全にトレーニング前の状態に戻ってしまう訳ではありません。

 

遺伝的要素も大きいとされていますが、トレーニングを実施していた期間が長ければ長いほど非鍛錬者(トレーニングをしていない人)と同レベルまで筋力が低下しないこともあるのです。

 

これがいわゆる筋肉の貯金(筋)です。

 

より早い時期から継続して筋トレを行っておくと基礎筋力の低下が穏やかとなり、高齢期におけるQOL(生活の質)向上へと繋がるという訳です。

 

2.持久力は早期に衰える

トレーニングを中断して初めの3週間程度は筋肉量の低下ではなく、筋肉を動かす神経が鈍ります。しかしそれと同時に体力(筋持久力)は低下してしまいます。

外的なストレス要因(気温や湿度、日光など)だけでなく、筋持久力の低下は疲れが溜まる原因の一つです。

 

筋持久力の指標として用いられるのが最大酸素摂取量です。

 

ランニングなどの有酸素運動を続けられる能力は、この最大酸素摂取量によって決まります。

最大酸素摂取量とは1分間に体重1kgあたり取り込むができる酸素の最大値のことを言う。呼吸よって肺から酸素を血管内に取り入れ、その酸素を利用して糖や脂質をエネルギー源として燃焼させ、運動を継続することが出来る。

心臓から送り出される血液量(心拍出量)が減少すればそれだけ筋肉が酸素不足に陥り、持続的な運動を続けることが困難となります。

 

当然心臓も筋肉の塊であり、運動不足によって心拍数が上がる機会が減ってしまえば衰えてしまうのです。

 

その他持久力に関与するポイントは3つ挙げられます。

①赤血球・ヘモグロビン、そして血液量

②筋肉に血液を送る毛細血管の発達

③エネルギー産生に関与するミトコンドリアを活性化

※ヘモグロビンは赤血球に含まれるタンパク質で赤みを帯びており、酸素運搬能力に関与する。

※ミトコンドリアとは、細胞の中に存在し、有機物質からエネルギーを作り出す小器官のこと。特に有酸素運動において多くのエネルギーを産生する。

 

つまり持久力の低下は筋肉量の減少が招くというよりも、血液の滞りが原因ということがわかりますね。

3.ディトレーニングとは?

ここまでトレーニングの中断という言葉を使ってきましたが、ここからはより理解を深めるためにディトレーニングという少し専門的な言葉をご紹介しましょう。

ディトレーニング(Detraining)とは、継続して行ってきたトレーニングを一時的、あるいは永続的に止めてしまうことを言う。昨今の問題である新型コロナウイルス感染対策の影響を始め、ケガやプライベートなどの問題によるディトレーニングがアスリートの課題となっている。

トレーニングをやりたくてもできない、そんなもどかしさを伴うディトレーニング。運動を続けるために大切なモチベーションに大きく関与することは間違いありません。

 

計画的なディトレーニングは身体の回復に必要な休息となりますが、環境面や心理面による突発的なディトレーニングは、体形の維持だけでなく筋力や持久力を維持するためにも避けたい所ですね。

 

第3章【軽い負荷を掛ければ維持できる期間は長くなる】

それでは次に、ディトレーニングによって日に日に落ちていく筋力体力を一体どのようにして維持すれば良いのか調べていきましょう。

 

トレーニングを通常通り再開すれば、当然筋力や持久力は元に戻ります。

 

しかし時間や環境の問題によって“通常”通りできない場合はどうすればよいのでしょうか?

 

その問題を解決する唯一の方法は、とにかく軽い負荷でもいいので筋肉に刺激を入れることです。

 

例えばバストアップのため必要な大胸筋を鍛えるベンチプレス

ジムの閉館や行く時間が無いことを理由に、何もせずに1か月も経過してしまえば筋力は低下し、あなたのバストにも悪影響を与えることでしょう。

 

しかし週1~2回、わずか10回程度腕立て伏せを行うことで、筋力やサイズの低下を最小限に食い止めることが出来るのです。

 

この理由はやはり運動神経にあります。

 

刺激の強さに関わらず、筋肉を動かす指令が定期的に運動神経を通って送られることで、活動する筋線維の単位は保たれます。

 

これが結果として筋力の維持に功を奏しているという訳です。

 

第4章【トレーニングの効果は筋肉に刻まれる】

ディトレーニングによって身体は弱る一方。

 

しかし筋肉は細胞で出来ており、細胞は常に新陳代謝を繰り返してその形を維持しています。

 

つまり、再度鍛え直せば身体は再びかつての輝きを取り戻すことが出来るのです。

 

これを助けてくれるのがマッスルメモリーです。

今までにトレーニングやスポーツの経験がある方は、マッスルメモリーについて聞いたことがあるかもしれませんね。

 

過去にトレーニングをした経験がある方の場合、トレーニングを再開することで以前習得に要した時間よりも早く筋肉量や筋力が戻るとされています。

 

この現象(マッスルメモリー)は明確に原理が立証されている訳ではありませんが、より肉体を発展させるための野性的な機能と言っても過言ではありません。

 

このことから、例えトレーニングをやむを得ない状況で中断してしまったとしても諦める必要は一切ないということです。

 

ましてや今まで努力が水の泡ということはありません。

 

「やめてしまったらどうしよう・・・」

 

このようにマイナス思考になるのも無理はありませんが、少しでも早く元通りになることが分かれば、少し気が楽になりますよね。

 

第5章【まとめ】

いかがでしたか?

 

今回は、「筋トレ(トレーニング)をどれくらいサボると筋肉が落ちるのか」について詳しく掘り下げていきました。

 

風邪で12日間寝込んだだけでも身体がフラフラしてしまうように、身体はあっという間に鈍ってしまいます。

 

しかし3週間程度のディトレーニングであれば筋肉量が目に見えて衰えることはなく、あくまでも筋肉を収縮させる筋線維の神経伝達が原因で力を発揮しづらくなっているだけということがわかりましたね。

 

そしてもしトレーニングの中断期間が長引くとしても、簡単な運動を短時間行うだけで筋肉の萎縮を最小限に食い止めることができます。

 

習慣化された行動は時間的・精神的な負担は少ないものですので、あまり気負わずに行うことが大切です。

 

トレーニングを中断することへの不安感から、せっかく始めたトレーニングを止めようか悩んでいる方はぜひ考え直してみてください。

 

▪我慢が続くなか、トレーニングを再開できたこと

▪トレーニングによって目標を達成すること

 

このどちらもあなたに“トレーニングの楽しさ”をもたらしてくれるはずです。

 

ちょっと休んだだけの身体の変化に踊らされず、しっかりと長期的な目線でダイエットやボディメイクに挑戦していきましょう。

 

広島のパーソナルトレーニングジムくびれ美人

山戸 勝道

 

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