背中痩せを最短で達成する7つのメニュー【簡単ストレッチ&筋トレ】

「背中の脂肪は落ちにくい」
誰かに言われた訳では無いけれど、30代以降の女性は特に気になる背中のハミ肉。
その原因は加齢?それとも乱れた食生活のせいなのでしょうか?
そこで今回は、背中痩せを目指す全ての方の為に、食事制限や有酸素運動では落とすことが出来ない背中の脂肪を取り除く簡単ストレッチと筋トレ法をご紹介しましょう。
目次
第1章【姿勢の悪さが背中をたるませる】
背中だけでなく、肥満に繋がる根本的な理由としてカロリーオーバーは改善しなくてはなりません。
しかしそれだけでは背中のたるみまでを改善することは出来ません。
誰もが背中のたるみに悩む訳ではなく、姿勢の悪い方が背中のたるみに悩まされる可能性が高いのです。(勿論姿勢が良くても背中がたるむケースもあるので、パーソナルトレーニングの際は問診や評価が重要となります。)
問題となる不良姿勢とは猫背や巻き肩であり、この姿勢が引き起こす身体的な変化とは肩甲骨の外転です。
身体の正中線に対し、肩甲骨が外側に移動することを外転と言う。
次の写真は、肩甲骨の外転に伴う身体の変化を示しています。
※肩から肘がスッと真下に伸び、背筋が伸びた状態。しっかりと背中が引き締まり、胸が張れていることがわかる。
※肩甲骨が外転した状態を表す。上の図に比べ、こちらは背中が丸まり、巻き肩となった状態。腕・肩まわりの緊張感がなくなる様子がわかる。この状態では二の腕・脇まわりへ脂肪が付きやすくなる。
肩甲骨が外転することはすなわち僧帽筋や菱形筋などの筋力低下を表しており、猫背姿勢に伴う胸椎の後弯増加は肩甲骨の外転を助長してしまうのです。
つまり胸椎の後弯が改善されなければ、いくら背中のトレーニングを行ったとしても、期待するほど効果は得られないことが予想されます。
第2章【背中が引き締まるメリット】
背中が弛んだから背中を鍛える。
非常にストレートな理由ですが、次に紹介する3つのメリットを知ることで、より一層背中を鍛えるモチベーションが高まるはずです。
1.アンチエイジング
女性はいつまでも綺麗でいたいもの。
アンチエイジングと聞けば、まずは試してみたくなりますよね。
老化を表す部分はいくつもあり、見た目の問題だけでなく認知機能の低下など内面的な問題もありますが、その大部分が筋力の低下から引き起こされるものだと知っていましたか?
一般的に筋力が衰えると基礎代謝が低下し、太りやすくなります。
逆に筋力を増やすことにはリバウンドしにくい身体を作るだけでなく、成長ホルモンの分泌を促すという重要な役割があるのです。
成長ホルモンは脳下垂体から分泌され、主に細胞の修復や疲労回復効果を担っています。そして更に、肌のターンオーバー(細胞の新陳代謝サイクル)を促進する効果があります。
即ち運動不足に伴って筋力が低下してしまえば次第に肌のハリやツヤが無くなり、老けて見えてしまうのです。
つまり美肌の為にも背中の筋肉量を増加させる筋トレは取り入れるべきエイジングケアの1つという訳ですね。
2.バストアップ
バストにコンプレックスを抱える多くの女性は、その問題がバストだけにあると思いがちに。
確かにバストの構造の大部分は乳腺の周囲を保護する脂肪細胞(乳房内脂肪細胞)であり、体脂肪や乳腺の量による個人差は非常に大きいと言えます。
そしてバストの土台となる大胸筋などの筋肉を鍛えることで、ボリューム感のあるバストや上向きの美乳を目指すことが出来ます。
しかし何よりも大胸筋の位置の要となる肋骨や肩甲骨を含めた肩甲帯を整えなければ、理想のバストに近づくことは出来ないのです。
猫背姿勢のように背中が丸まった姿勢、そして巻き肩の代表されるように背中が広がった姿勢では、ともに背部の筋力(僧帽筋や菱形筋)低下がみられるため、本コラムにて紹介する背中引き締めトレーニングを実施することは結果としてバストアップに繋がるという訳です。
姿勢とバストの関係、そしてバストアップの詳しい方法については過去の投稿記事今からでも遅くない!40代から始めるバストアップ筋トレにて詳しく解説しております。
3.腰痛予防
もしあなたが身体の痛みを理由に筋トレをしないのであれば、今すぐ考えを改めてください。
筋トレは決して健康的な方だけが行うことではなく、誰しもが行うべき生活習慣なのです。
身体が引き締まるということは体脂肪の減少だけでなく、筋肉量の増加を現しています。
つまり身体を支える筋肉が増えるということであり、それだけ身体全体の安定感が増すのです。
そして特に大切なのが身体後面の筋肉。
広背筋や脊柱起立筋などの上半身を始め、大殿筋やハムストリングなど下半身の筋力を高め、身体後面の筋膜の連動を作ることが良い姿勢を作るために必要なのです。
筋膜とは文字通り筋肉を包み込む筋肉の膜のことを言う。そして内臓を支える漿膜とも繋がっており、筋肉と内臓には密接な関係があることが分かる。このように全身に張り巡らされた筋膜は第二の骨格とも呼ばれる。
筋膜の走行は大きく分けて7つありますが、姿勢に関与する代表的な筋膜としてスーパーフィシャル・バック・ライン(以下SBLと表記)があります。
SBLは足底から頭頂部までを繋ぎ、人間らしい機能的な動きを作るために活動しており、腰痛パターンの大部分としてSBLの破綻が引き金となってしまうのです。
過去に腰痛でボディメイクを諦めたり断念した経験がある方は、過去の投稿記事腰痛で諦めてない?筋トレが腰痛を軽減させる理由も是非参考にしてみてください。
第3章【背中トレーニング決定版】
それでは、背中の贅肉を解消するために厳選したトレーニングを7つご紹介しましょう。
1から順に可動域・姿勢の改善、そして難易度別となっています。
1.胸椎伸展ストレッチ
まず初めにたるんだ背中を引き起こす胸椎の後弯を改善すべく、背骨(主に胸椎)の柔軟性トレーニングから始めていきましょう。
ストレッチポールを用いることで、身体のレベルに合わせて強度を調整することができます。
□方法
①肩甲骨のやや下方にストレッチポールを横向きに置きましょう。そして腕を頭の後ろで組んで頭を支えます。(両手で頭を支えることで、頸部へストレスが掛からないようにします。)
②体重をゆっくりかけながら後方に徐々に倒れていき、大きく胸を開くように伸ばしていきます。この時息を吐きながら伸ばしていくとより効果的です。これを10回程度繰り返しましょう。
※首を痛める可能性があるので頭はしっかりと支え、胸椎を中心に動かすように注意しましょう。
2.四つ這いダイアゴナル
四つ這いの体勢で手を真っ直ぐに伸ばすことで、丸くなった背中の筋肉に刺激を入れて背筋を伸ばす効果が期待できます。
そして足も同時にまっすぐ後方に伸ばすことでお尻にある大殿筋を収縮させることができ、立ち姿勢の改善を図ることもできます。
□方法
①四つ這いの姿勢となり、肩の真下に手首、そして股関節の真下に膝を置くようにしましょう。この時背筋は伸ばし、「頭」「背中」「骨盤」が一直線になるように意識します。
②腹筋に軽く力を入れたまま、体幹をブラさないように意識しながら右足(左足)と左手(右手)を伸ばしていきます。この状態で片側10秒キープを3セット行いましょう。
※この時踵をしっかり後ろに蹴り、手を前に伸ばし切るイメージを持つと、姿勢が安定して大殿筋の収縮を感じやすくなります。
3.ダンベルローイング
四つ這いダイアゴナルの体勢のままダンベルを引くことで、広背筋や菱形筋を鍛えるだけでなく、体幹の安定や筋膜を介した対側の大殿筋を活性化させることによる姿勢改善が期待できます。
猫背や巻き肩の方はこれら背面の筋肉が弱まっていることが多いため、積極的に行っていきましょう。
重すぎるダンベルでは二の腕や握力が先に疲れてしまうため、フォーム重視で初めは軽いダンベルで行っていきましょう。
□方法
①四つ這いの体勢となり、ダンベルを把持した手を反対側の下肢を後方に伸ばします。
※この時背中が丸まらないように注意しましょう。
②骨盤の回旋や左右のズレが起こらないよう注意し、脇を閉じるように肘を後ろに引いていきましょう。これを左右10回ずつ行っていきます。
※肩甲骨を寄せる意識を持つことで、背中まわりの引き締め効果を高めることができます。
4.うつ伏せプルダウン
うつ伏せの状態で腕を引くことで、肩甲骨の内側にある菱形筋や僧帽筋など背筋を伸ばす筋肉を鍛えることができます。
背中側の筋肉活性化による姿勢改善効果としてバストアップが期待できます。
※本記事ではチューブを使用していますが、ハンドタオルなどで代用しても構いません。
□方法
①うつ伏せとなり、両手の親指にチューブを引っ掛けるように持ちましょう。
②お腹に軽く力を入れ恥骨を床に押し付けたまま、上半身を少し反らすようにしながらチューブを頭の後方に向かって引いていきます。肩甲骨を寄せるようにし、肩甲骨内側に収縮感を感じたところで元の位置に戻ります。
これを10回3セット繰り返していきましょう。
5.ダンベルデッドリフト
ダンベルの重さを利用し、太もも裏のハムストリングやお尻まわり、そして背中を鍛えることができます。
背中を引き締めるためには背中にある筋肉だけを鍛えれば良いと思いがちですが、背面にある筋肉全体を刺激することで、よりトレーニング効果が高まるのです。
□方法
①両手でダンベルを把持し、背筋を伸ばします。
※手首を返し、脇を閉じることで広背筋に刺激を入れることができます。
②太もも前にダンベルを沿わせるように、そしてお尻を突き出すようにして上半身を前に倒していきます。太もも裏にストレッチ感が出た所で止め、お尻を締めるように元の位置に戻りましょう。これを10回繰り返していきます。
※背筋を伸ばしたまま、股関節をたたむように意識していきましょう。
6.ダンベルベントオーバーローイング
先ほどのデッドリフトの状態から腕を後ろに引くことで広背筋を鍛え、更に背中を引き締めることが出来ます。
両手を同時に動かすため左右差を整えたり、太もも裏に刺激を加えることができるため比較的難易度は高いメニューです。
ダンベルローイングとダンベルデッドリフトでそれぞれ筋肉の収縮感を得られた上で挑戦してみてください。
□方法
①両手でダンベルを把持して背筋を伸ばします。太もも前にダンベルを沿わせながら後ろにお尻を突き出し、上半身を前に倒していきます。そして太もも裏にストレッチ感が出た所で止めます。
※手首を返し、脇を閉じることで広背筋に刺激を入れることができます。
②上半身が起き上がらないよう注意しながら、ローイングと同様に脇を閉じるように肘を後ろに引いていきましょう。これを左右10回ずつ行っていきます。
※顎が上がると肩がすくみやすくなるので注意しましょう。
7.オーバーヘッドスクワット
繰り返しとなりますが、猫背や巻き肩などの不良姿勢は背中側の筋力不足を表しています。
そこで腕を頭上に上げたままスクワットを行うことで弱った背中まわりの筋肉を鍛え、肩甲骨まわりを引き締めていきましょう。
※この動作で肩が痛む場合は無理に実施せず、整形外科を受診しましょう。
□方法
①壁から1歩ほど距離を取り、頭上へストレッチポールを持ちます。(棒などでも可)
そして背筋を伸ばしたまま足幅(スタンス)を腰幅の1.5倍程度開きます(腰を最大限落とした際に膝が90°となる幅)。この時、股関節・膝・つま先が45°~60°外側を向くようにします。
②頭上に保ったストレッチポールや膝が壁に当たらないように注意しながら、肩甲骨の間に筋肉の収縮感が出る深さまで腰を落としていきます。 これを10回3セット行いましょう。
第4章【まとめ】
それだけ食事を改善しても、そして一生懸命ランニングなどの有酸素運動を行っても背中が引き締まらない原因は姿勢にありました。
普段の何気ない姿勢1つで、あなたの身体は太りやすくなったり、逆に痩せやすくなってしまうのです。
筋トレの時だけ気を付ければ良い。
いつしかこのような考えとなっているのではないでしょうか?
背中を引き締めることは、それだけが目的ではありません。
アンチエイジングの為にも、そしてバストアップの為にも取り組むべき課題こそが背中トレーニングなのです。
間違った方法を試す前に、まずは最短で背中を引き締める7つのストレッチ&筋トレを試してみてくださいね。
広島のパーソナルトレーニングジムくびれ美人
山戸 勝道