内また姿勢がボディメイクで何故ダメなのか知りたいですか?

「体型を変えたい」

 

その一心でダイエットに励む方こそ気を付けるべきポイントがあることを、あなたはご存知ですか?

 

食事の内容やトレーニングの種類は勿論大切ですが、それよりも普段どのような姿勢で過ごしているかの方が体型に関しては影響力が大きいと言えます。

 

トレーニング中だけ姿勢を気にする

 

このような方は意外と多いようです。

あなたもその1人ではありませんか?

 

そこで今回は、日本の女性に多い内また姿勢が招く多くのデメリットについて詳しく解説していきましょう。

 

第1章【内また歩きはジャパニーズカルチャー?】

骨格的な問題や、生活習慣から生じてしまうとされる内また歩き。

和服を始め、日本文化では比較的良い?美しい?姿勢とされています。

そんな内またですが、今回何故筆者は苦言を呈すような内容を取り上げようと思ったのでしょうか?

 

答えは単純明快。

膝や股関節を痛めたり、下半身太りを助長してしまうからなのです。

 

しかし現代では和装を纏う機会は年に数回程度。何故デメリットばかりの内また姿勢が今現在も定着してしまっているのか、ここで興味深いデータをご紹介しましょう。

 

1.モデルが発端かも

ファッションの最先端としてスタートするランウェイ。

そこでモデルの足元に注目し、内またの割合を求めたグラフが存在します。

引用:https://senken.co.jp/posts/kasanuma3

 

実はルイヴィトン、シャネルともに内またのような姿勢を取るモデルが増加傾向にあることがデータ上わかっています。

 

もしかすると様々な雑誌を見る度に内また姿勢が目に入り、潜在的な美意識が構築されてきたのかもしれませんね。

 

2.意識的か無意識的か

このようにパフォーマンスの一部として見出されてきた内またですが、あなたがもし意識的に行っているのであれば今すぐ止めるべきです。

 

後ほど詳しく解説していきますが、人間の股関節の構造からすると内またの姿勢は股関節の内旋と呼ばれる動きとなります。この時の股関節には捻じれのストレスが生じるとともに、太もも外側にある筋肉(外側広筋や大腿筋膜張筋)は過剰に収縮してしまいます。

 

つまり自ら足が太くなる努力をしているのと同義なのです。

 

また無意識的に行っている場合では、ストレッチをしたり股関節まわりのインナーマッスルを鍛えることでアライメントを改善していくことが必要となります。

 

第2章【内また姿勢で関節は変形する】

さて、それでは次に内また姿勢が招く関節への問題について触れていきましょう。

 

関節のすり減り(=変形)は老化への一歩。

アンチエイジングを目指すのであれば、この変化を見逃す訳にはいきません。

 

まずは股関節の構造から解説していきます。

 

1.股関節の構造

股関節は骨盤と大腿骨(太ももの骨)によって構成されています。

 

肩関節に次いで可動域が広い股関節の変形に悩む方は多く、日本国内において変形性股関節症の有病率は1.0~4.3%とされており、100人いれば1~4人程度はX線診断(レントゲン)において変形がみられることになります。

(※女性の罹患率が高いのが特徴)

 

こちらが骨模型において股関節を正面から見た図です。

 

そしてこちらは内また姿勢(股関節が内側を向いた状態)を表しています。

このような内また姿勢は女性に多いとされていますが、その大きな理由として大腿骨(太ももの骨)の前捻角(ぜんねんかく:骨盤に対して大腿骨が内巻きに捻じれている)があります。

人は生まれてから今日に至るまで、体重や重力の影響を股関節で支えており、股関節に掛かるストレスを減らす為に捻じれが生じます。しかし前捻角が標準(図左側)よりも大きいということは、内またの傾向が強くなる要因となってしまうのです。

 

特に女性は骨盤が広いため、男性よりも前捻角が大きい傾向があります。

前捻角を知る方法として知られるクレイグテストは、実際のパーソナルトレーニングでも活用されており、脚痩せやボディメイクに最適なトレーニングを提供する貴重な情報源となります。

※クレイグテスト

 

こちらが股関節の内旋可動域の男女差。

比較してみると、かなり違うことがわかりますね。

 

このように構造的に女性は内また姿勢を取りがちとなるため、股関節には大きな圧迫ストレスが掛かります。1回や2回の動作では変形には至らないものの、この姿勢を何年も続けているのであれば要注意という訳ですね。

 

2.股関節の構造

さて、ここまで股関節について解説してきましたが、次なる問題は膝です。

立ち座りは勿論のこと、歩行など日常生活の全てにおいて膝関節は大活躍しています。

 

試しに膝を全く曲げずに生活をしてみてください。きっと膝が曲がるという重要性を実感することでしょう。

 

しかし何故、内また姿勢によって膝にダメージが蓄積されるのでしょうか?

それをご理解いただくために、まずは膝の構造について簡単に解説していきます。

 

膝は曲げる・伸ばす基本的な動きに加え、僅かに回旋動作(ひねる)に関与しています。担う動きが多ければ多いほどストレスが掛かりやすい訳ですが、要は同じストレスが同じ場所ばかりに掛かってしまうと金属疲労によってダメージが深刻となってしまうのです。

膝関節の伸展に伴い、大腿骨に対して下腿が外旋(つま先が”外”に向く)する運動の連鎖をスクリューフォーム運動と呼ぶ。この時点で内また姿勢(つま先が”内”を向く)での歩行が膝関節に大きなストレスを与えることが分かる。

※スクリューフォーム運動や半月板の詳しい解説を入れると話が大きく脱線してしまいますので今回は割愛致します。

 

この金属疲労こそが変形性膝関節症として現れるのです。

 

こちらが骨模型において膝関節を正面から見た図です。

 

そしてこちらは内また姿勢(股関節が内側を向いた状態)に伴う膝関節を表しています。

 

内また姿勢で歩行することで、その位置の膝関節の安定性を保つために半月板は不必要な歪みを生じ、その結果関節に掛かる圧迫ストレスが内側に集中してしまいます。

 

半月板は膝の屈伸運動に伴って形を変化させることでスムーズな関節運動を可能にしているため多少の無理が効いてしまいます。内また姿勢が出来るのは関節の許容範囲内だからに過ぎず、その代償として確実に半月板へのストレスは蓄積されて摩耗し、不可逆的な変化の明らかな要因と言わざるを得ないという訳ですね。

 

膝の変形と改善ポイントについては、過去の投稿記事【リハビリトレーナー直伝】O脚やX脚を改善させるトレーニング【姿勢のポイントあり】が参考になります。

 

「〇〇選手が半月板の部分切除を・・・」なんて話を一度くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか?

最近では2019年に広島東洋カープの田中広輔選手が右膝半月板部分切除を行ったというニュースを目にした方も多いのでは?勿論筆者はカープファンのため、このようなニュースは細かくチェックしています(笑)

第3章【筋肉を守る】

将来的な体型の変化を招く大きなリスクについて解説してきましたが、やはり最後に気になるのは“どのように体型が変化してしまう”のか、ではないでしょうか。

 

脚痩せのために大殿筋を鍛えたり、ハムストリングを鍛えたり、様々なトレーニングメニューにチャレンジしていることでしょう。しかしどんなに優秀なトレーニングメニューでも、 正しいトレーニングフォームが出来ているか、そして良い姿勢が保てているかを注意しなければ求めている結果はついてきません。

 

内また姿勢が招く体型の変化は2つ。

 

▪太ももの外側が張ってくる

▪ヒップのボリュームが下がる

 

脚瘦せだけでなく、ヒップアップにも影響を与えてしまうのは驚きですよね。 それではそれぞれ解説していきます。

 

1.太ももの外側が張る

股関節の向きが少し変わるだけでも、見た目の印象に大きな生じてしまいます。

 

この時影響するのは大腿筋膜張筋外側広筋という筋肉で、どちらも太ももの外側に存在します。

 

まずはこちらの写真から。

太ももを正面から写した写真です。

 

そして次に内また姿勢にした様子です。

太ももの外側全体が広がったような印象がありませんか?

このように、同じ人でも股関節の向きによって体型は大きく変化してしまうのです。

 

大腿筋膜張筋は骨盤外側の出っ張り(上前腸骨棘)から靭帯(腸脛靭帯)を介して膝関節の外側へ伸びる筋肉です。

足を外へ開いたり(股関節の外転)、膝を上げたり(股関節の屈曲)、内また姿勢(股関節の内旋)などの動作を担っています。つまり内また姿勢で日常生活を繰り返すことにより、大腿筋膜張筋は過活動状態に。思いもよらぬ筋肥大が起こり、太ももが太く見えてしまうのです。

 

そして外側広筋とは大腿四頭筋を担う筋肉の一つで、その名の通り外側に位置します。

主に膝を伸ばす動きに関与していますが、大腿筋膜張筋と同調し、膝を上げる動作(股関節の屈曲)でも働いてしまいます。

 

この事から、内また姿勢では歩く度に大腿筋膜張筋と外側広筋のトレーニングが繰り返されているのと同じであることがわかりますね。

 

2.ヒップのボリュームが下がる

こちらもボディメイクを目指す女性が避けたい、内また姿勢による大きなデメリットですね。

 

ヒップのボリュームを担う主な筋肉は大殿筋ですが、その他にも中殿筋や梨状筋など股関節周囲のインナーマッスルも重要となります。

 

こちらも写真による比較を行ってみましょう。

まずは股関節を中間位にしたのがこちら。

 

 

そして次の内また姿勢(股関節の内旋)ではどうでしょうか。

 

こちらもやはり、足全体のシルエットが低下している印象を受けます。

特にヒップのボリューム感は顕著に低下し、トップの位置が下がっているようにも見えます。

 

ヒップの形を作る大殿筋は主に足を後ろへ伸ばす(股関節の伸展)動きを担います。そして筋肉の走行から、つま先が外に向く(股関節の外旋)姿勢でより強く働くのです。股関節のインナーマッスルである梨状筋も同様で、つま先が外に向くような股関節の外旋動作によって鍛えることが出来る筋肉です。

 

このように、内また姿勢のような股関節内旋位では大殿筋も梨状筋も上手く活動することが出来ず、筋肉のボリューム感が低下してメリハリのない垂れ尻の原因となります。

 

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第4章【まとめ】

今回は足まわりのシルエットを大きく左右する内また姿勢について取り上げていきました。

 

何となくの印象や良かれと思って取ってきた行動が、実は逆効果となっていたケースはダイエットやボディメイクにおいて多々あります。

 

特に男性に比べて骨盤の広い女性は様々な姿勢の変化を受けやすく、“お尻だけ”、“太ももだけ”を鍛えても、思ったようなシルエットの変化が得づらいのです。

 

そこで諦めてしまうのではなく、まずは自分が普段どのような姿勢を取っているのか再認識してみてくださいね。

 

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山戸 勝道

 

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