【事実】汗をかいてもダイエットに効果ナシ【筋トレしよう】

気温が高くなるにつれ、に対して敏感になってくる方も多いのではないでしょうか?

 

脇汗や額ににじむ汗を食い止めるために、様々な方法をチャレンジしている方も多いことでしょう。

 

しかし、あなたのまわりには全くと言っていいほど“汗をかかない”方が一人や二人いらっしゃるのではありませんか?

 

同じ環境にいるはずなのに、なぜこんなにも発汗量が違うのでしょうか。

そして汗をかかない人の特徴とは何なのか、考えたことはありますか?

 

「汗をしっかりかかなければ痩せられない・・・」

 

と思っているのであれば、安心してください。

長時間のランニングで大汗をかいたり、サウナで滝のような汗をかく必要はありません。

 

ましてや、サウナスーツなど言語道断!

 

をかくことが必ずしもダイエット成功の近道とは限らないのです。

 

そこで今回は、気になるダイエットと汗の関係について詳しく見ていきましょう。

 

しかし、汗をかくことが好きな方は体調管理を十分に考慮した上で行っていただくのは構いません。

 

第1章【汗はなぜかくの?】

それではまず、は身体にとってどのような働きがあるものなのか解き明かしていきましょう。

 

あなた自身、汗の性質の違いに気付いたことがあるのではないでしょうか。

 

たまに行うフットサルやバスケットボールでかいた大汗は”サラサラ”と流れるように、ところが仕事で緊張やプレッシャーを感じているときにかく汗は”ベタベタ”・・・

 

このように同じといっても性質は真逆なものがあります。

 

その違いの理由は、身体が汗を必要とするタイミングにあります。

 

1.エクリン腺とアポクリン腺

汗を分泌するのは汗腺と呼ばれる皮膚に空いた穴(腺)です。

 

そしてその汗腺には、全身に分布する「エクリン腺」と主に脇の下に分布する「アポクリン腺」の2種類があります。

 

我々が一般的に汗と認識しているもの、つまり気温が高い時にかくような汗は主に「エクリン腺」から分泌されています。

 

その目的は体温調整であり、通常は99%以上が水分で残りは塩分がほとんどと言われています。

 

つまりサラサラな汗の正体はエクリン腺から分泌された、健康的な汗をいう訳です。

 

そして反対に、緊張やストレスによる発汗は主に「アポクリン腺」から分泌されます。これがにおう汗のもととなるのです。

 

アポクリン腺から分泌される汗は、脂質タンパク質など空気に触れると雑菌が増殖しやすくなる成分を多く含んでいます。

 

このように匂いを発しやすい構造になっている理由は、フェロモンの関係と言われています。

 

2.良い汗と悪い汗

そして次に、汗の成分について調べていきましょう。

 

実は汗をかく頻度によって、汗に含まれる成分に変化が生まれることがわかっています。

 

汗として体外に分泌される前の汗は、カリウムやマグネシウム、鉄などのミネラル成分を多量に含んでいます。

 

しかしそのまま汗として分泌されてしまえば、身体を維持するために必要な成分が一気に失われかねません。

 

そこで汗腺から分泌される前に必要な成分を再吸収するように働きかけるのです。

これによって99%以上が水分で残りは塩分というサラサラな汗をかくことができるのです。

 

ところが運動不足などによって体温の変化が起こる機会が減ってしまえば、汗をかくこと自体が少なくなります。

 

汗腺の機能低下は、ミネラル成分の再吸収の能力を低下させます。

 

この事から普段から汗をかく習慣が無い人が急に大汗をかけば、身体に必要な成分が失われるだけでなくにおう汗の原因となることがわかります。

 

第2章【汗をかく3つのタイミング】

冒頭で少し触れましたが、身体から汗が出るタイミングはいくつかあります。

 

発汗のきっかけとなるのは一般的な体温調整によるもの以外に、緊張などによる精神性、そして辛い物を食べたことによる味覚性の3つがあります。

 

1.温熱性の発汗

外気温の上昇、そして運動に伴って上昇した体温を下げるために必要な発汗です。

 

この時重要となるのは気化熱です。

気化熱とは、液体の物質が気体へと変換される際に周囲から吸収する熱のことを言います。

発汗によって体表を水分で覆わせることによって体温を調整する機能は、ヒトと一部の哺乳類のみと言われています。

 

激しい運動を行うこと、そして外気温の上昇によって体温が高まることによる発汗は、生命を危険に晒さないために必要不可欠なのです。

 

流れる汗だけでなく、皮膚表面で蒸発する汗も合わせると、1時間あたり1~2リットルの水分が失われることもあります。

 

これだけ聞くと、12kg体重増減は簡単に起こってしまうことがわかりますね。

 

主にエクリン腺によって分泌されるため、発汗の習慣があるのであればサラサラな汗が分泌されます。

 

2.精神性の発汗

人によっては、緊張すると手汗をかいてしまう方も多いのではないでしょう。

 

このように精神性の発汗は体温の上昇とは一切関係が無く、手のひらや足の裏、そして脇の下など、部位が限られているのが特徴です。

 

そして、ストレスを感じると短時間で発汗するのが大きな特徴と言えます。

 

精神性の発汗は、エクリン腺とアポクリン腺の両方から分泌されることが多く、後の不快感につながる汗であるのも頷けますね。

 

3.味覚性の発汗

そして最後に、味覚性の発汗についてご説明しましょう。

 

いものを食べているレポーターの方を見ていると、額に大汗をかいていること多いですよね?

 

鼻先や額から滴り落ちるような汗。

辛党のあなたは一度は経験があるのではないでしょうか。

 

筆者は辛いものが苦手なのであまり経験はありませんが、辛党の方にとっては凄く当たり前のことなのだそうです。

 

この時の汗は主にエクリン腺から分泌されるため、基本的に無臭の汗に定義されています。

 

第3章【トレーニングの結果、汗はかきやすくなる】

汗について一通り整理できた所で、ダイエットと汗の関係について話を戻しましょう。

 

ダイエットに必要な要素は、何といっても筋トレです。

 

その理由は筋肉量の増加筋肥大であり、これによって基礎代謝量が増加することで結果的に痩せることができるのです。

筋肉1kgあたりの基礎代謝量=13kcal

このように身体を鍛えることによるメリットは多々ありますが、どのような過程でエネルギー消費(基礎代謝量)がされているのか気になりますよね。

 

まず初めに筋肉がエネルギー源として欲しているのはATPです。

ATPとはアデノシン三リン酸の略で、アデニン・リボース・3つのリン酸から構成される高エネルギー性の化合物のこと。このATPから1つリン酸が離れ、ADP(アデノシン二リン酸)に分解される際に生じるエネルギーを利用して筋肉の収縮を行うことができる。

しかし筋活動によってATPが消費されるばかりでは直ぐにエネルギーが枯渇してしまい、身体が持ちません。そこで肝臓に貯蔵されたグリコーゲン(糖)中性脂肪(トリグリセライド)を分解し、エネルギー源とし補給しているのです。

 

このように、身体に余った糖質や脂肪を分解して消費するのが筋肉の活動という訳です。

 

そしてダイエットの情報として注目されがちな脂肪燃焼ですが、以前のコラムにて脂肪燃焼のメカニズムについてご説明しましたので、ここで少しご紹介しておきましょう。

 

∇脂肪燃焼のメカニズムとは

運動による筋収縮によりエネルギーを消費(主に血糖)

血糖が無くなる

脳が体脂肪からエネルギーを作るよう指令を出す

アドレナリンなどを分泌させ、脂肪分解する酵素「リパーゼ」を活性化

体脂肪を遊離脂肪酸とグリセロールに分解

血液中の遊離脂肪酸がエネルギーとして消費される

∇食べてないのに太る原因は自律神経の乱れから【参照記事】

食べてないのに太る原因は自律神経の乱れから

 

このようなエネルギー消費の過程の最後に発生するものが“”です。

 

体温を一定に保つ必要がある恒温動物では、筋肉や内臓などの身体活動、そして外気温によって体温が上昇します。

 

身体を動かす筋肉(すなわち骨格筋)は体温を維持する熱産生に最も関与しており、実は筋肉を働かせる際に必要なエネルギーの約7割は“”として消費されています。

あなたも激しい運動やトレーニングによって身体が温まった経験はありますよね?

 

つまり身体が温まるということは、それだけ多くのエネルギーを消費している証拠という訳です。

 

しかしここでもう一度、体温について振り返ってみましょう。

 

恒温動物であるヒトの体温は36.5前後でキープされていますが、激しい運動などによって体温が高まりすぎると、非常に危険です。

 

体温が40度近くなると全身のタンパク質の変異が始まり、生命の危機に晒されます。

 

そこで本能的に体温を下げる機能が働き始めます。そしてヒトにとって体温を下げる方法が“”なのです。

 

以上を整理すると、運動やトレーニングによって筋肉が熱を大量に産生することで体温の上昇が誘発され、発汗が促されるということがわかりましたね。

 

第4章【運動以外での汗も必要】

前章でご説明したように筋肉が活動した結果流した汗であれば、脂肪燃焼を伴う発汗であるためダイエットに結び付きやすくなると言えます。

 

しかしそれでは身体を動かさずにかいた汗は、全くダイエットに効果を及ぼさないのでしょうか?という疑問が起こっても無理はありません。

 

そこで、汗をかくメリットについて触れておきましょう。

 

1.デトックス効果

デトックスという言葉の本来の意味は解毒ですが、ここでは老廃物を排出することをデトックスと表現しています。

 

体内における老廃物(毒素)は多々ありますが、汗をはじめ尿や便、皮脂や垢などの手段によって排出され、全身の新陳代謝が行われています。

 

このなかでは特にの影響力は高いと言われており、汗をかくことによる汗腺の機能向上も見込まれます。

 

体臭や身体の不調は、質の悪い汗が原因なのです。

 

半身浴やサウナによって汗をかく習慣をつけることは、汗腺を開くという意味では有効という訳ですね。

 

2.むくみ改善

発汗によって大量の水分が失われたのであれば、水分をしっかり補給しておく必要があります。

 

しかし汗をかかずにただ水分を補給するだけでは余分な水分はすぐに排出、もしくは水分代謝が滞り“むくみ”として問題を起こす場合があります。

 

水分の摂取水分の排出はセットなのです。

 

筋肉量が少なければ全身の血流量は低下し、体幹を除く手足末端への血液循環は滞ってしまいます。

 

つまりせっかく水分を摂取したとしても、によって身体から適度に水分を排出しなければ、意味が無いのです。

 

ただ動かずに水分ばかり摂取していては、“むくみ”が出てしまうのも無理はありませんね。

 

∇むくみを改善する方法【参考記事】

【寝ながらOK】足のむくみを簡単に取る方法【ストレッチあり】

 

3.肌ツヤが良くなる

汗を定期的にかくようになって女性が気付くポイントが、化粧ノリの良さです。

 

「今まで肌がくすんで顔色も良くなかったのに、綺麗になったねと言われるようになった」

 

お客様から、このようなお声はよく頂きます。

 

肌のくすみは血行不良によるものが多く、肌の青白さは血の滞りを表しています。

 

しかし汗をかくことで滞っていた血流が改善し、酸素を多く含んだ赤血球が巡ることで顔色を含めた印象まで改善してくれるのです。

 

また汗をかくことで皮脂の分泌も促されることで、ツヤのある美肌を取り戻すことができるという訳ですね。

 

時と場合によりますが、

「汗で化粧が崩れるから運動は嫌だ」

と考えているあなた。

 

厚い化粧で維持するのか、それとも薄い化粧でも大丈夫な身体を作るのか、どちらが良いですか?

 

4.汗のにおいが気にならなくなる

この効果は、かなり多くの方が実感していただけます。

 

汗の仕組みについてご説明した際にも少し触れたように、本来であれば体温調整によってエクリン腺から分泌された汗は99%が水で残りはわずかな塩分のため、においの元となるものはほとんどありません。

 

しかし汗をかく習慣がなければ汗腺の機能が低下し、多くの不純物を含んだ汗が生成されてしまいます。

 

そこに雑菌が繁殖することで“におい”が発生してしまうという訳です。

 

汗をかく機会が増えれば増えるほど、体質は必ず改善されていきます。

 

以上のことから、ダイエットを目的とした発汗には疑問符がつくものの、汗をかくこと自体には非常に多くのメリットがあることがわかりましたね。

第5章【まとめ】

いかがでしたか?

 

現代社会では深刻な運動不足による健康被害が注目されています。

 

多くのフィットネスクラブ24h型トレーニングジムがオープンしていくなかで、フィットネス人口の増加はそれだけ自分の身体に対して興味を持つ方が増えている証拠です。

 

しかしまだまだ正しいトレーニングに対する認知度は低く、誤った知識をもとにトレーニングを行っている方が多いのが現状です。

 

今回のコラムテーマとして【ダイエットと汗の関係】について取り上げたのも、汗をかくだけでダイエットが成功すると思っている方が非常に多いと思ったからです。

 

◆サウナを繰り返し、痩せるためにとにかく汗をかく方

◆炎天下の中、長時間ランニングを行って汗をかく方

 

このどちらも脱水症状や熱中症を引き起こす可能性があり、身体にとって非常に危険です。

 

もしダイエットのために汗をかこうと考えている方がいらっしゃるのであれば、是非とも考えを変えてあくまでも身体を健康に保つための方法と認識しておくと良いでしょう。

 

それでは最後にもう一度確認しておきましょう。

 

あなたが目指すべきは“汗をかくこと”ではなく、“汗をかける身体作り”なのです。

 

広島のパーソナルトレーニングジムくびれ美人

山戸 勝道

 

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