筋トレのスピードは速いべき?遅いべき?という疑問にお答えします

パーソナルトレーニングジムくびれ美人の山戸です。

今回はダイエットやボディメイクで欠かすことが出来ない筋トレの中でも、少し踏み込んだ内容をご紹介しましょう。

 

筋トレやトレーニングで大切な負荷設定や回数ですが、実は他にも意識したほうが良いポイントがあります。

 

それは筋トレ中の動作スピードです。

 

速くするのか、遅くするのか、筋トレをしている方なら一度は気にしたことがあるのではないでしょうか?

 

それでは早速解説していきましょう。

 

第1章【筋肉への刺激が違う】

少し前に、スロートレーニング(通称:スロトレ)という言葉が流行ったのを、あなたはご存知でしょうか?

 

この時を境に、世間一般的に筋トレ中の動作スピードが少しずつ意識されるようになったのではないかと思います。

 

一つ明確にしておくと、スロートレーニングとは筋肉の発揮張力(=力)を維持しながらゆっくりと行うレジスタンストレーニングの1つです。

レジスタンストレーニングとは?

筋肉に負荷をかける動きを繰り返す運動全般を言う(いわゆる筋トレ) 。

レジスタンス(Resistance)は”抵抗”の意味であり、筋肉に抵抗をかけ、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を目指す。

この後解説していきますが、筋トレを行うスピードによって得られる効果は変わります。

 

つまりここで結論を言いますと、目的によって変えるべきなのです。

 

過去に投稿したコラム記事【トレーナー直伝】基本が大事!ダイエットやボディメイクの基礎知識が差をつけるでは、“トレーニングの負荷設定が筋肉を増やすポイント” という話をしました。

 

どんな種目を何回、そして何セット行うのか。

 

目的に合わせて

▪サイズアップを目指すのであれば8~12回出来る重さで8~12回、3~5セット繰り返し行う

▪シェイプアップや引き締めを目指すのであれば15~20回出来る重さで15~20回、3~5セット繰り返し行う

などの意識を持つことが大切です。

 

しかしトレーニングの習慣がつけば、より多くのことに意識を向けることが出来るはずです。

 

それが今回のテーマである、筋トレを行う際は動作スピードに変化をつけるという訳ですね。

 

1.引き締めたいなら“少し早め”に

一言で筋トレといっても、ただ筋肉を太くしてボリュームアップするだけが目的ではありません。

 

ダイエットやボディメイクにおいて筋肉量を増やすことは必要不可欠ですが、引き締めることが目的であれば動作は“少し早め”に、そして付け加えると“少し多め”に行う事をオススメします。

筋肉は大まかに分けて遅筋(赤筋)繊維速筋(白筋)繊維の二種類が存在し、その名のごとく役割が異なります。

遅筋(赤筋)繊維:スタミナがあり、バテにくい特徴がある。筋肉内に多くのミオグロビンを含んでおり、ミオグロビンは酸素を運ぶヘモグロビン(赤色)から酸素を受け取る役割を担っているので赤筋と呼ばれる。

速筋(白筋)繊維:パワーや瞬発力を得意とするが、スタミナが切れやすいのが特徴。

“少し早め” に、そして“少し多め” に動かすことで鍛えられるのは主に遅筋繊維。

上述したように遅筋繊維は主にスタミナがありバテにくい特徴があり、有酸素運動に代表されるように長時間運動を繰り返すことによって体脂肪を燃焼することができます。

 

そして筋繊維自体は太くなりにくいという特性も持ち合わせているので、スレンダーで細身の身体の基本となるのです。

 

2.ボリュームアップしたいなら“少し遅め”に

そして次に、ヒップアップやバストアップなど身体のボリュームアップを目指すのであれば、“少し遅め”に筋トレを行う方が良いです。

いわゆる“効かせる”トレーニングと表現しておきましょう。

 

しかし“筋肉に効かせる”とは一体どのようなことか、疑問に思う方は多いはず。そこでその疑問についてまずは解き明かしていく必要がありますね。

 

トレーニングにおいて、筋肉を動かすことで筋繊維がダメージを受けます。そしてダメージを受けた筋繊維(細胞)が修復される過程で太く、そして強くなることによってボリュームアップを図ることが出来ます。

 

更に“ゆっくり”トレーニングを行うことによって筋肉内に流入する血液量が制限され、筋繊維は言わば酸欠のような状態となります。筋肉内で利用できる酸素量が減ると、酸素を多く必要とする遅筋繊維(赤筋)ではなく、酸素の配給が不十分でも動くことが出来る速筋繊維(白筋)が多く動員されるようになるのです。

 

そして速筋繊維が多く使われることによって代謝産物である乳酸が生成され筋肉内に溜まっていく訳ですが、この時、筋肉内に存在する代謝物受容器が反応することで筋肉の“重だるさ”を自覚するようになります。

 

これらのシグナルは脳の中枢へと発信され、その結果としてホルモンの分泌させる指令となることがわかってきました。

パンプアップとは?

トレーニングによって速筋繊維の導入が繰り返し促されることで血流が阻害され筋肉内の酸素レベルが低下し、乳酸などの無酸素性の代謝物が多量に筋肉内へ蓄積される。そして蓄積された乳酸は浸透圧(水分量)を一定にするために多量の水分を筋肉内へ貯留させる。これにより筋肉が腫れ上がった状態、すなわちパンプアップとなる。

速筋繊維(白筋)は筋肥大、すなわちボリュームアップに直結する筋繊維であることは間違いありません。

 

つまりトレーニングを“少し遅め”に行い、筋肉を極度に疲労させて筋肉内の血液・酸素環境を悪化させることで速筋繊維(白筋)へのトレーニング効果、すなわち筋肥大を実感しやすくなるという訳ですね。

 

3.スロトレとは何が違う?

少し話が前後してしまいましたが、次は本章の冒頭でお話したスロトレについても触れていきたいと思います。

 

スロトレとはレジスタンストレーニングの方法の1つであり、まさに本コラムの内容である動作スピードに重点を置いたものとなります。

 

結論を言うと、スロトレは負担の少ない中高年・トレーニング初心者向けのトレーニングです。

これには賛否両論あるかもしれませんが、動き盛りの方々にとって少々負荷が軽すぎるため、効果の実感するのにどうしても時間が掛かり過ぎてしまうのです。

 

そして何より関節や人体、筋肉への負担が少ないことは大きな魅力と言えます。

 

比較的軽めの負荷設定であっても”非常にゆっくり”動作を行うことによって筋肥大や筋力増強の効果を得ることが出来る訳ですから、一般の方にとって安全に行えるトレーニング法という訳ですね。

 

そしてスロートレーニングは、トレーニングの動作中に力を抜くことなく、常に力が入った状態を維持することがポイントです。例えばイスに座る時に敢えて30秒くらい時間をかけて座ってみてください。同じ“イスに座る”という動作でも、足まわりの負担が大きく変化することがわかるはずです。

 

このようにダンベルバーベルなどを用いなくても負荷をかけることが出来るのです。

 

そしてこの時起こる身体の変化を見ていくと、前項目で解説したように筋肉内の血流が阻害されて筋肉内が酸欠状態となり、無酸素性の代謝物である乳酸が産生そして蓄積され、筋肉の合成に必要な成長ホルモンの分泌が促されるようになります。

 

以上のことから、スロトレとはあくまで” 自体重のみ・1~2kg程度のダンベルのみ”といった低負荷でのトレーニングであると割り切った方が良いです。

 

▪膝や関節に不安がある方

▪トレーニング初心者なので、まずは簡単で続けられることを目的とした方

▪高齢者リハビリトレーニングの一環として行う方

 

このような方は非常に効果的なトレーニング法として期待されていますので是非取り入れてみてください。

 

第2章【アスリートには不向きかも】

パーソナルトレーニングジムくびれ美人には女性のお客様だけでなく、中学生や高校生アスリート、そしてプロレーサーなど様々なお客様にご利用いただいております。

 

筋力や骨格による体格差はもちろんの事、当然目的によって行う種目が違うことは想像できるかと思います。

しかしアスリートにとって、結果は文字通り人生を左右してしまいます。

結果が出ないどころか、むしろパフォーマンスを低下させてしまうようなトレーニングは決して行うべきではありません。

 

競技スポーツは基本的に“筋肉の疲労を最小限にとどめて大きな力(力を速く)を発揮する時間を維持する” ことが必要となります。

 

つまりスロトレのようにトレーニング動作を敢えてゆっくり行ってしまえば、疲労が溜まりやすくて力を発揮できない身体となってしまう可能性があるので注意が必要です。

 

第3章【素早い動きにも注目 ~クイックリフト~】

最後に筋トレを素早く行うクイックリフトについても少し触れておきましょう。

 

クイックリフトとはスクワットなどの動作に、ジャンプなどの爆発的な速さを加えて行う非常に特殊なトレーニング法です。その主な目的は爆発的な筋力(筋力×スピード)発揮が必要なアスリート向けの方法ですが、近年の研究によって健康維持効果が高いことがわかっています。

つまり瞬間的に発揮される最大筋力が高い人ほど、寿命が長い傾向にあるというのです。

※参照:「EuroPrevent 2019」ヨーロッパ心臓医学ソサイエティ

 

微妙なニュアンスの違いに困惑するかもしれませんが、このように各方面において様々な意見があることをご理解いただけたのではないでしょうか。

 

結局何が言いたいのかというと、“これだけやればよい”という盲目的なトレーニング計画ではダメだということです。そしてあなたの経験値に合わせ、少しずつトレーニングのレベルアップを図ってみてください。

 

クイックリフトについてはまた次の機会にでもご紹介したいと思います。

 

第4章【まとめ】

いかがでしたか?

 

ある程度の筋トレを行っていると、トレーニングの方法について様々な疑問が浮かんでくるのではないでしょうか?

 

ダンベルひとつ取るにしても、ただ何となく回数をこなすのではなく、是非今日から筋トレのスピードを意識してみることをオススメします。

 

繰り返しとなりますが、どちらかが正解という訳ではなく、あくまで目的によって合わせることが大切です。

 

あなたは引き締めたいですか?

それともボリュームのある身体を目指したいですか?

 

もう一度身体の問題点や筋トレの目的をはっきりさせ、正しいトレーニングの知識を身に着けてみてくださいね。

 

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山戸 勝道

 

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